ひと

  • 2012年9月17日

    普段着の甲冑を作る
    現代の甲冑師 一助朋月さん

    一助朋月さん  甲冑を所有する歴史愛好家が増えている。甲冑を着用して参加する歴史系のイベントが増えており、自慢のマイ甲冑でイベントからイベントへと渡り歩く者もいるほどだ。彼らがどうやって甲冑を手に入れるかというと、自分で作るか、購入するかになる。手作り甲冑教室も人気で、自作派もかなりの数がいる。しかし難易度が... 続きを読む

  • 2012年9月14日

    今も……、  水が流れている
    トンボ研究家 澤田弘行さん

    澤田弘之さん(能登川博物館提供)  8月末、澤田さんに連絡しなくてはならないことがあって電話をかけたら、思いがけず澤田弘行(65)さんの声がした。携帯電話のインデックスには、「澤田・澤田」と入っている。昔は、どっちの澤田さんか、「澤田・澤田」で覚えていたのだが、それを忘れるくらい2人の澤田さんと連絡をとってい... 続きを読む

  • 2012年8月27日

    人生を赤裸々に描く
    松本慶子さん

     「これまでの人生で着込んできたものを一枚ずつ脱ぎ捨てるみたいに赤裸々に描いたら、恥ずかしいけれどホッとしたの。」そう松本慶子さんは笑顔で話された。絵を描き始めてちょうど10年。85歳になる今年、初めての個展を開く。  北海道生まれの長浜育ち。農業のことなど何も知らないまま農家に嫁いだ。慣れないことばかりの辛い日... 続きを読む

  • 2012年7月27日

    滋賀県唯一のプロ大道芸人
    大道芸人 丸ちぇろさん

     街頭や舞台などで演じる「大道芸」。路上でボールをお手玉のように投げたり、中国ゴマを回したりするパフォーマンスを目にしたことがあるかもしれない。大道芸を行うプロは国内にも存在するが、じつは滋賀県のプロ大道芸人はたったのひとり、丸ちぇろさんしかいないという。丸ちぇろさんが演じるのは主にジャグリング。なかでもボウリン... 続きを読む

  • 2012年6月25日

    正直である。そして、謙虚である。
    ダンサー tadashiさん

     杉原禎さん(27)。ダンサーとして「tadashi」の名前で有名である。実は小学校6年生頃の彼を知っていて、僕は、少しだけその人生の時間を共有したことがある。今、その彼が誇らしく、眩しい存在として目の前にいる。  「tadashi」さんは、高校に入学し、間もなく退学(多分一ヶ月未満)。京都のダンススクールに通い... 続きを読む

  • 2012年6月11日

    オトズレ
    画家 杉尾信子さん

     『移ろいゆく自然、身の周りの日常……感じた風景が織り成す音に寄り添い、画面に切り取りました。』杉尾信子さんからエキジビションのご案内をいただいた。杉尾さんは1977年、大阪市で生まれた。滋賀県立大学卒業後、京都造形芸術大学に入学。現在、彦根市在住。大阪や名古屋で個展を開き、2011年には東近江市のファブリカ村で... 続きを読む

  • 2012年3月28日

    私が出会った宇宙
    眞野丘秋さん

     昔……、高い熱が出て浅い眠りしかできない日には、なぜか同じ夢を見た。私の場合、小さい人と模様だった。小さい人はいつも3人で、甲高い声で何かを話し続けており、不規則な形の模様は浮かんでは消えていく。その形や質感や色彩を人に説明するのは難しい。ただ、強烈な印象だけを残し、今でも忘れることはできない。眞野丘秋(まのたか... 続きを読む

  • 2012年3月12日

    時を遡り、旅するように……
    フルート奏者 井伊亮子さん

    井伊亮子さん  私にとって笛は小学校時代のリコーダーである。だから井伊亮子さんが手にしているフルートを間近に見たときは、70センチはあるだろうその長さに驚いた。「端のキィまで手が届かないために、小さな子どもはフルートに触れ合う機会がなかったんです。今はU字管のフルートも登場し、手の長さを気にせず練習することも... 続きを読む

  • 2012年1月24日

    花嫁は、みんな妹みたい
    アトリエ ZARA 池田久美子さん

    池田久美子さん  「アトリエZARA」は、オーダーメイドのウェディングドレスを手がける小さなアトリエである。子どもの頃から洋裁が大好きだったという池田久美子さん(36)が5年前に開いた。大学時代、友人にウェディングドレスを制作したことが、ドレスづくりのきっかけだった。社会人になってからも依頼は続き... 続きを読む

  • 2011年12月14日

    木の生き方に背かない
    工房「木の家具 智」平尾智子さん

    平尾智子さん  約束したその日、平尾智子さん(41)は近江八幡の山から帰ってきたばかりだった。木を伐る専門の人による、伐採現場に同行してきたのだ。ごろごろと楠が軽トラックの荷台に転がっていた。  平尾さんは椅子やテーブル、棚など「木の命を繋ぐ」家具を作る人である。動物などをモチーフに木工彫刻をも手がけている。... 続きを読む

  • 2011年9月16日

    飾って楽しい、使ってうれしい Söpöのしあわせっけん

    石けん作家の近藤由紀子さん  りんご、動物のシルエット、水玉、空、波、パステルの淡い色にモチーフが浮かぶ。スタンプや消しゴムのようにも、おいしそうなお菓子にも見えたり……、実は、みな石けんなのだ。  長浜市に住む近藤由紀子さん(34)は、石けん作家である。「Söpö」というウェブサイトで手づくり石けんを公開、... 続きを読む

  • 2011年7月1日

    麗しく潤おしい……Japanを伝える
    塗師 渡邊嘉久さん

    塗師 渡邊嘉久さん  七職という言葉がある。仏壇製造に必要な7種の職、総木地師、塗師、金箔押師、宮殿師、彫刻師、蒔絵師、錺金具師のことだ。浜仏壇の製造で知られる旧長浜市内にも、七職が点在する。  塗師の渡邊嘉久さん(47)も、その一人である。漆塗りを専門にする渡邊仏壇店の3代目だ。20年前に塗りの世界に入り、... 続きを読む

  • 2011年6月14日

    石の側らに……
    磯部瑛仁さん

    アメリカ先住民居住区でペリドットを採集(2歳)  小さな男の子がハンマーを手に岩場にいる写真を見せていただいた。磯部瑛仁(いそべあきひと)さん1歳。父に連れられて採集に訪れた場所での記念写真である。瑛仁さんは、現在近江兄弟社高校3年生、17歳になる。12歳のとき多賀の鍾乳洞・佐目の風穴で、古代人の歯を発見した... 続きを読む

  • 2011年5月8日

    和室の小宇宙
    齋藤友佳子さん

    床の間の書と生け花  床の間に、書が掛けられ花が生けてあった。庭に視線を転じると濃い桃色の花の残像が重なった……。  齋藤友佳子さんは、「どの道も上達しなければという気負いをもたずにいたことが、続けてこられた理由のひとつです。書道をしてちょっと疲れたなと思ったらお茶を点て一服して、一息ついたらピアノを弾いて…... 続きを読む

  • 2011年4月22日

    ダンサーになりたい!
    杉原禎さん

    ダンサーのTADASHI(杉原禎)さん  ダンスの世界に生きる人がいる。杉原禎さん(26)。  ダンサーとしてのお名前は「TADASHI」である。東京にお住まいで、安室奈美恵さんら歌手のコンサートツアーの専属ダンサーを務めたり、講師としてレッスンを行っている。去年から出身の彦根をはじめ、滋賀県内でヒップホップ... 続きを読む

  • 2011年4月18日

    琵琶湖に注ぐふたつの川……、彫刻の林
    長谷川喜男さん

    突然現れた彫刻の林  不思議な風景に出会った。姉川と高時川が交わり、堤防がずっと続いている。竹やぶやら畑やら……、集落の小さな公園や墓地が視界に現れては消えていく。車を走らせ後ろへ流れる景色は、この辺りの静かで長閑な日常だ。  集落の屋根が重なり連なるなかに石の彫刻が並んでいる。突然現れた小さな彫刻の林のよう... 続きを読む

  • 2011年3月17日

    湖の畔、淡海の時空が育む古典笛
    古典笛師 尾本玄翠さん

    古典笛師の尾本玄翠さん  笛を作る人と出会った。尾本貢一さん(59)。「古典笛師」の肩書きで雅号は「玄翠(げんすい)」。古典笛とは篳篥(ひちりき)や竜笛、能管などを指し、雅楽や能、歌舞伎に用いられる。メディアでもよく見かける東儀秀樹さんは篳篥の演奏者である。 「もともと音楽好きでトランペットやピアノなどを演奏... 続きを読む