彦根市の記事一覧

  • 2021年1月18日

    湖東・湖北 ふることふみ 76
    明智光秀に仕えた彦根藩士(後編) まち・文化

    神吉城祉の神吉頼定の墓(兵庫県加古川市東神吉町 常楽寺)  木俣守勝は九歳で徳川家康に出仕するがこれは幼すぎるわけではない。当時に武士たちは元服前から主に自らの子を預け教育や人間関係の構築を任せている。こうすることで主従関係が穏便に保たれたとも考えられる。しかし守勝は19歳で徳川家を出奔した。  守勝が徳川家... 続きを読む

  • 2021年1月4日
    No Image

    渋沢栄一と大東義徹 まち・文化

     2021年NHK大河ドラマは「青天を衝け」、主人公は「渋沢栄一」。2024年に新1万円札の顔となる人物でもある。   「事業が正業であるならば公益と私益とは一致し、商人を国家を裕福にする実業家と位置づけ、企業の目的が利潤の追求にあるとしても、その根底には道徳が必要であり、国ないしは人類全体の繁栄に対して責任... 続きを読む

  • 2020年12月10日

    石田群霊碑 まち・文化

    佐和山山中に在り続ける石田群霊碑  山を染める紅葉が美しい季節である。DADA発行日の翌日、11月23日には、「琵琶湖一周のろし駅伝」が開催される。多賀町の5か所の城跡が10時に一斉にのろしを上げてスタート。39か所の城跡を時計回りでめぐり最終の佐和山城に12時18分頃に到達するらしい。  この日、彦根市では... 続きを読む

  • 2020年12月7日

    湖東・湖北 ふることふみ 75
    明智光秀に仕えた彦根藩士(中編) まち・文化

    神戸城祉(かんべじょうし・三重県鈴鹿市)  徳川家康の祖父・松平清康は名将だったと伝わっている。混乱が絶えなかった西三河を統一し、今川氏輝(義元の兄)や織田信秀(信長の父)と対等に渡り合える人物だった。しかし二十五歳の若さで家臣の阿部正豊に暗殺される(守山崩れ)。余談ではあるが、清康を刺した刀は村正の一派であ... 続きを読む

  • 2020年12月3日
    No Image

    システマチックに失われていくもの まち・文化

     11月17日、新型コロナウイルス感染症の県内警戒レベルが「ステージ2(注意ステージ)」になった。緊急事態宣言以来、会議も時間から時間までインターネット経由で行われ、人との直接的な接触が制限されている。  にもかかわらず、最近はリアルにたくさんの人とすれ違うようになった。実際、「Go To〜」で観光に関係する場所は人が... 続きを読む

  • 2020年11月21日
    No Image

    時を見送る人たち まち・文化

     また同じように冬がやってくる。友人がハロウィンの飾り付けが終わったらクリスマス、そしてお正月バージョンと話していた。  慌ただしくて嫌になるというのではなく、ディスプレーをあれこれ考え、出来映えが楽しみという様子で、ほほえましい。世の中にはそうやって季節の移り変わりを自分なりに楽しみ、時を見送っている人たちがいる。「... 続きを読む

  • 2020年11月13日

    湖東・湖北 ふることふみ 74
    明智光秀に仕えた彦根藩士(前編) まち・文化

    楠城址(くすじょうし:三重県四日市市)  大河ドラマ『麒麟がくる』を観ていると、今までのドラマではあまり描かれなかった人物や出来事が濃く描かれる傾向が強いため、個人的に登場を期待している人物がいる。それは木俣守勝である。  守勝は『おんな城主直虎』の最終回で、徳川家康から井伊直政に預けられた武将の一人として登... 続きを読む

  • 2020年10月8日
    No Image

    近江の乳 まち・文化

     コロナ禍で自由に使える時間が増えたが、夏休みが終わる頃から急に世の中が慌ただしくなって、ボケラーとばかりしていられなくなった。  もちろん、妖怪探しはずっと続けていくが、そろそろ新しいテーマに取り組む時期ではないかと考えたりしている。コロナ禍によってもたらされた大きな変化である。次のテーマとして「淡海の乳」はどうだろ... 続きを読む

  • 2020年9月30日

    足軽組屋敷の茶房で沈思熟考 お店
    ギャラリー&茶房 みごと庵

     1787年に建てられた旧彦根藩足軽組屋敷「善利組・林家住宅」(市指定文化財)をできる限り江戸時代の佇まいに戻しながら改装し「ギャラリー&茶房みごと庵」が9月1日にオープンした。オーナーは中川一志郎さん(62)、湖東焼の再興に取り組む陶芸家である。  「湖東焼」は江戸時代後期に彦根藩の藩窯として隆盛したやきも... 続きを読む

  • 2020年9月13日
    No Image

    「のの」のこと まち・文化

     近ごろ、再び事務所に猫がやってきた。名前は「のの」という。黒猫で、背中に白い毛が数本、グレーの毛が胸のあたりにかたまっている。成人すればどんな毛並みになるのか楽しみだ。まだ生まれて4ヶ月と少し、随分とやんちゃ坊主で、猫らしい猫である。棚の上の小物は落とすし、植木鉢の植物も災難、ののは1日何回も怒られることになる。しか... 続きを読む

  • 2020年8月17日

    湖東・湖北 ふることふみ 71
    大津蔵屋敷 まち・文化

    彦田稲荷神社(大津市浜大津一丁目)  有名な話がある。  足利義昭の要請を受けて上洛し、義昭の征夷大将軍就任を支援した織田信長に義昭は副将軍か管領の役職を与えようとした。しかし信長はこれを辞し替わりに堺・大津・草津を領することを願い義昭は許可を与えた。  これは、信長が商業を重視していた経済感覚を示すものとし... 続きを読む

  • 2020年8月5日

    千代神社と藤原不比等の娘 まち・文化

    千代神社 不比等の娘、千代姫  『近江の伝説』(日本の伝説19 / 角川書店)に興味深い話が載っていた。  「藤原鎌足の子不比等は近江の国守に任じられて、よく彦根の地に足を運び、土地の神官の娘とのあいだに千代姫という姫を儲けた。この姫は成長するにつれてたぐい稀な美貌を謳われるようになった。時に高音丸と時雨丸... 続きを読む

  • 2020年7月30日
    No Image

    不立文字 まち・文化

     生来の人見知りで出不精であるにも関わらず、人と会う仕事をしている。書く仕事を選んだのは、話すのも苦手だったからで、考えていることを書き直しできるからだった。発した言葉はもうもどらない。  雨がたくさん降って、近ごろは「丁度良い(好い)加減」というものがなくなった。全てが過剰だ。コロナ禍のニューノーマルは、僕のライフス... 続きを読む

  • 2020年7月20日

    湖東・湖北 ふることふみ 70
    封建社会の納税(後編) まち・文化

     日本史を俯瞰すると海外では考えられない日本人独特の好みがある。それは「世襲」と呼ばれる代々の血や名誉の繋がりである。  海外でも世襲は存在するが、どちらかといえば権力者が主張するものであり一般人がそれを完全に是とはしていない。  しかし、日本では平安時代初期に財力を失った天皇が千年を超えた現在でも国民の象徴とし... 続きを読む

  • 2020年6月30日

    足腰安全のご利益 まち・文化

     国道306号線、野田山町の信号に「金毘羅宮」「慈眼寺(じげんじ)」の看板がある。何時か行ってみたいと思っていた。DADAジャーナル4月号に彦根藩士平石久平次によって作られた世界初の自転車「新製陸舟奔車」の記事を書いた。「よく似たものが金毘羅宮にある」と友人が言うものだから、ようやく金毘羅大権現に参ることができた... 続きを読む

  • 2020年6月17日

    湖東・湖北 ふることふみ 69
    封建社会の納税(前編) まち・文化

    彦根藩の年貢集積地の一つ松原御蔵跡(現・滋賀大グランド)  私たちはなぜ税金を支払っているのか?  生まれたときから当たり前のように納税義務があり、その税率も勝手に決められていると感じてしまう。もちろん民主主義においては税金も国民の代表が民意で決めたという建前は成り立っているが、どうしても一方的に決まったよう... 続きを読む

  • 2020年5月18日

    湖東・湖北 ふることふみ 68
    文久と明治のコレラ まち・文化

    門野留吉翁頌徳碑 / 明性寺(彦根市本町3丁目3-56 )  安政5年(1858)から流行したコレラは翌年に一度収束の兆しを見せる。しかし三年後の文久二年に再び江戸で大流行した。テレビドラマにもなった村上もとかさんの漫画『JIN―仁―』(集英社)の早い段階のストーリーとしてコレラとの闘いが描かれているが、この... 続きを読む