滋賀県唯一のプロ大道芸人

大道芸人 丸ちぇろさん

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 東近江市 2012年7月27日更新

 街頭や舞台などで演じる「大道芸」。路上でボールをお手玉のように投げたり、中国ゴマを回したりするパフォーマンスを目にしたことがあるかもしれない。大道芸を行うプロは国内にも存在するが、じつは滋賀県のプロ大道芸人はたったのひとり、丸ちぇろさんしかいないという。丸ちぇろさんが演じるのは主にジャグリング。なかでもボウリングのピンのような形の「クラブ」を使ったパフォーマンスが得意技だ。
 丸ちぇろさんが大道芸に出合ったのは高校生の頃。1999年から虎姫で年に一度行われている関西最大級の大道芸イベント「大道芸フェスタ in 虎御前」での素晴らしいパフォーマンスに感動したのだ。会場で販売していたジャグリンググッズのなかから「ボール」を購入し、独学で練習をはじめた。大学では大道芸サークルに所属。先輩や仲間たちと切磋琢磨して技や芸を磨いた。
 卒業後はサラリーマンとして働きながら、週末はパフォーマーとしてイベントに参加する”週末パフォーマー”になった。しかし次第にもっと大道芸と深くかかわりたいと願うようになる。「チャレンジするなら今のうち」と思った丸ちぇろさんが会社を辞め、プロ大道芸人の道を歩みはじめたのは6年前のことである。
 地元滋賀で活動しようと決めたものの、県内での出演依頼は皆無に近かった。「滋賀県には大道芸人が出られるイベントもほとんどありませんでした」と丸ちぇろさんは当時を振り返る。まずは大道芸の認知度を高め、出られるイベントを増やし、芸を見てもらう機会を増やすことからはじめた。その甲斐あって、少しずつだがパフォーマンスを見て「うちのイベントにも出てほしい」と声をかけられるようになったという。現在は全国各地を飛びまわり、「滋賀県を拠点に活動している」と言えるまでになった。今後も滋賀県、なかでも東近江を中心に活動を続けていきたいと話す。同時にジャグリング教室を開いたり、常設の舞台を備えた交流の場作りを進めたりと、後進の育成や仲間づくりを通じて、大道芸の魅力をより広く伝えていく活動も行なっている。

 大道芸の魅力は「毎回違うこと」だと丸ちぇろさんはいう。大道芸は見物客とパフォーマーが一体となって作り上げるもの。見る人が違えば反応も異なり、予測が難しい。「こんなふうに盛り上げようと、事前に準備はしていきます。それがピタリとはまってすごく盛り上がることもありますが、あまり反応がよくないこともあります。そのとき、どう軌道修正していくかが難しい。考えていた通りに盛り上がったとき、軌道修正が成功したとき。そんな瞬間に醍醐味があります」。
 最終目標は「サーカスを作ること」という丸ちぇろさん。あのシルク・ドゥ・ソレイユも大道芸人が設立したもの。今は荒唐無稽な夢かもしれないが、一歩一歩進めばいずれサーカスが実現するかもしれない。滋賀県にサーカスができる。なんとも夢のある話に思える。

大道芸人 丸ちぇろ

滋賀県東近江市伊庭町2329-1
TEL: 070-5500-3413

今後の出演情報
2012年7月28日(土)  八日市本町商店街
2012年8月8日(水)第50回 彦根ばやし総おどり大会 リバーサイド橋本通り

ジャグリング教室も月1回開催中。詳しくは会場の「能登川コミュニティセンター(TEL: 0748-42-3200)」にお問い合わせください。

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

みなみ

スポンサーリンク