ひと

  • 2021年12月2日

    漆文化をひろめたい
    塗師・箔押師 中川喜裕さん

    工房にて  「そんな手仕事があることを知らなかった」「どうすれば応援できますか……?」  カネイ中川仏壇5代目で塗師・箔押師の中川喜裕さん(31)は、昨年11月、SNSで「木製品ならなんでも無料で漆を塗ります」と投稿、木製食器やナイフの柄、大きなものではテレビボードなど90点程の依頼品を半年かけて仕上げた。... 続きを読む

  • 2021年6月2日

    地元の山の“山Tシャツ”を作ってみた
    ワイルド池本さん

     東近江市在住の池本義雄さん(64)から「伊吹山と鈴鹿の三山の山T(シャツ)を作った」と連絡をいただいた。そもそもTシャツに“山Tシャツ”というジャンルがあることも知らなかったのだが、お話を聞いてみると面白くて楽しいTシャツである。  池本さんは“ワイルド池本”と称して東近江市の能登川博物館で2016年に県内の... 続きを読む

  • 2018年12月31日

    『トチノキ巨木の森を守る』を出版
    東近江市小今町 水田有夏志さん

     「トチノキは幹回りが3メートルを超えたものを巨木と呼びます」や、「薪炭材には不向きだったことから伐採を免れたこと、栃の実は食用になるので大切にされたのでしょう」と、トチノキ巨木について教えて下さったのは東近江市に住む水田有夏志さん(62)だ。先月、『トチノキ巨木の森を守る 高時川源流域の自然と暮らしの中に息づい... 続きを読む

  • 2018年5月3日

    史実の間を感じ取る
    歴史時代小説作家 矢的竜さん

     彦根市古沢町、まさに石田三成の居城があった佐和山のふもとに、歴史時代小説作家・矢的竜さんは暮らしている。  53歳で早期退職した矢的さんは、文学賞への投稿を始め、10年目の2011年にデビュー。年に約一冊のペースで書籍を刊行してきた。そして今年3月、石田三成を主人公とした新作小説『三成最後の賭け』が新潮社から発... 続きを読む

  • 2018年2月6日

    ヒップホップ&作業療法士
    慎 the spilit・MINIYON

     昨年秋、ラッパー 慎 the spilitとDJ MINIYONのライブを見に行くため向かったのは、長浜市立北中学校の体育館。生徒を対象としたPTA主催の「講演ライブ」だった。  慎 the spilitこと佐々木慎さん、MINIYONこと田中孝史さんは、それぞれ作業療法士として働きながら、音楽活動をしている。... 続きを読む

  • 2018年2月2日

    山内さんと伊吹大根
    山内喜平さん

    山内喜平さん  昨年末、友人が「とっても物知りで、色々なお話を聞かせてくれる人」と引き合わせてくれたのが、長浜市木之本町古橋にお住いの山内喜平(90)さんだ。「何の話がよろしいか?」と山内さんは記憶の引出しのどこを開けるかを私たちに委ねたほどで、引出しがどれほどあるのか、全くわからない。その日、印象深かったの... 続きを読む

  • 2017年12月30日

    藁細工で伝えるもの
    野村源四郎さん

     「稲は一つも無駄がないのや、実は食べる米、藁は縄やら俵、草鞋になり、田んぼを耕す牛の餌にもなって、田にすきこんだら肥料になるしなぁ。ほして、米は連作できるのもほかの作物と違うすごい作物なんやで」と教えてくれたのは東近江市大沢町に住む野村源四郎さん(90)だ。  野村さんは農政事務所の前身にあたる食糧事務所に長... 続きを読む

  • 2017年10月24日

    即興のこころで
    野本由香さん

    ダンスホール紅花にて photo by Junko Kanazawa  野本由香さんが彦根にやってきたのは、今からちょうど20年前、1997年5月だった。生まれ故郷である愛媛県松山を出て住んだことはなかったという野本さんは、結婚と同時に、それまで縁もゆかりもなかった滋賀県へ移り住んだ。  新しい住処を決めるた... 続きを読む

  • 2017年4月24日

    松宮商店とバンクーバー朝日軍 カナダ移民の足跡
    松宮哲さん

    松宮哲さん  今月、「松宮商店とバンクーバー朝日軍 カナダ移民の足跡」という本が発行された。著者は、彦根市開出今町在住の松宮哲さん(69)だ。戦前にカナダ・バンクーバーで活躍した日系人野球チーム「朝日」を描いた映画「バンクーバーの朝日」が公開されたのは2014年末。その時以来、DADAジャーナルが松宮さんをお... 続きを読む

  • 2017年4月3日

    それぞれの今を鳴らす
    岡田兄弟

     「岡田兄弟」の所属する「岡田音楽事務所」は、伊吹山のふもと、米原市村居田という集落にある。まわりには田んぼが広がり、野山が近く、夏にはホタルが舞う。「音楽事務所」という言葉が不似合いに思える、そののどかな風景のなかで岡田兄弟は生まれ育ち、それぞれ、歌を歌い、演奏活動をし、音楽教室などを開きながら暮らしている。 ... 続きを読む

  • 2016年3月18日

    揺りもどされる詩人
    八男

     「八男」という詩人に会ったのは、長浜の、とある喫茶店だった。八男は、この喫茶店に思い出があるという。八男と喫茶店は、詩をつうじ、引き寄せられるように出会ったのだ…。が、その経緯にまつわるお互いの記憶は、まったく違うものだった。  「僕の記憶、ぜんぜん違いましたね」と八男は苦笑いしたが、どちらが本当でもかまわない... 続きを読む

  • 2015年8月3日

    湖北の書画家
    清水達也さん

     書画骨董を収集する人にとっては、目当ての品を探し出して手に入れることがやはり一番の楽しみらしい。探すこと、手に入れることは、その後飾ったり用いたりすることよりも大きな喜びなのだという。  長浜で表具の仕事をする清水達也さんの場合は、そうした数寄者とは少し違う。まず、興味の対象は地元湖北に所縁のある書画家に限ら... 続きを読む

  • 2015年7月17日

    瓢箪からコマ
    藤野孝男さん

     「瓢箪の大会で内閣総理大臣賞を取った方がいる」と聞き、早速伺った。受賞されたのは彦根市三津町にお住まいの藤野孝男さんだ。  藤野さんのお宅の玄関に飾られた「それ」が瓢箪だとは、すぐには思い至ることができなかった。確かに瓢箪の形をしているが、四角形や三角形が連続した幾何学模様が、立体的に彫り込まれているように見える... 続きを読む

  • 2015年6月2日

    子どものころに信じていた世界
    奥 隆子さん

     ごく幼い子どもの頃、夢と空想と現実は、お互いもっと近しいものだった。現実と空想が混ざり合った夢を見たし、夢の続きを現実に空想した。自分にしか感じられない姿や音もあったように思う。自分にしかわからないし、いつでも感じられるわけではない。けれど自分だけに感じられるからこそ、大切だった。  「ローズとライオン -まほ... 続きを読む

  • 2015年5月1日

    森を守る「森林レンジャー」という仕事
    橋本勘さん

     橋本勘さんと出会ったのは、春先に塩津の道の駅「あぢかまの里」で行われた道の駅まつりでのことだ。「森林レンジャー」というその肩書きの響きに魅かれて以前から会ってみたいなと思っていた。ちょうどこの日、橋本さんが入会する「山門水源の森を次の世代に引き継ぐ会」がブースを出店しているということで訪ねたのだった。勝手に、森... 続きを読む

  • 2015年3月9日

    ヴァイオリンがはこぶ春のそよ風
    高岸卓人さん

     彦根市の文化施設「ひこね市文化プラザ」で働いていた頃、古株職員の口から「高岸くん」という名まえをしばしば聞いた。皆「高岸くん」を親戚の子どものようにかわいがっていたようだった。  「高岸くん」こと高岸卓人さんの歩みは、文化プラザの歴史とともにあるとも言える。文化プラザは、彦根市の新しい文化的拠点として、18年前... 続きを読む

  • 2015年2月9日

    楽しいご飯の時間
    Ku-’sキッチン 蓮溪邦枝さん

     1日3回、きちんとご飯を食べる。それは子どもの頃母親にしつけられたことであり、母親は毎日、台所で忙しく立ち働いていた。今では自分で台所に立つし、自分で選んだものを食べるようになったけれど、好きなものを好きに食べられるうれしさと裏腹に、つまらないな、と思うこともある。何が出てくるのかなと思うこともないし、単調にも... 続きを読む