平成のDADA Journal article 未解決ベスト3

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2019年4月30日更新

 669号。平成最後の発行となる。DADAジャーナルは昭和64年(1989)に創刊、平成という時代、まるまる在り続けたことになる。あと数日で令和元年を迎える。当然、来月のDADAは令和初の号である。
 特別感がありなんとなく嬉しい……。平成元年の頃は、人生まだまだ斜に構えていたが、令和は大袈裟ではなく素直に喜びを受け入れようと思う。
 平成最後のDADAは、ほとんどそういうことを考えていなかったので、直近のベスト3を選ぶことくらいしかできなかった。令和は何か考えてみたいと思っている。
 何変わりなく、いつもと同じようにというのが、僕らの主義のような気もするが……。
 長く続けさせていただいた。読者の皆様、発行を支えていただいた全ての方に感謝したい。

編集人  杉原 正樹

「ん」の謎 (2015年)

「ん」の考察 - 彦根神社

彦根神社「ん」の石碑

 大きな「ん」と、小さな「ん」が彦根神社の境内の拝殿に向かって左側にある。狛犬でいうと、口を閉じた「吽(うん)」の側である。
 「彦根」というブランドを冠にする神社の「ん」が、今まで話題にならないことも不思議だが、この「ん」、平成最大の謎だと思っている。謎は2つ。ひとつは「ん」は何を意味する記号なのか? ふたつ目は大きな「ん」と小さな「ん」が書かれているのは何故か?
 文字からのアプローチを試みた。思い浮かんだのは寺社と関係の深い生と死、始まりと終わりを意味する「阿吽」の「吽」である。つまり「ん」は獅子である。ならば、小さな「ん」も、こどもの獅子であると考えることができる。石碑を見ていると「吽」の形相の獅子の足元で鞠と遊ぶ小さな獅子のイメージが浮かんでくる。しかし、この考えはすぐに間違った仮説だと気づいた。「吽」ならば「うん」と表記されるはずなのである。
 アルファベットの「ABC」は「初歩・基礎」という意味に用いられることがある。それは「いろは」も同じだ。有名なカクテルに「XYZ(エクス・ワイ・ジィ、エックス・ワイ・ゼット)」がある。このカクテル「XYZ」の名の由来は、アルファベットの終わり、最後のカクテル、「これ以上のものはない、最高のカクテル」という意味がある。また、新約聖書の「ヨハネの黙示録」において、主の言葉「私はアルファであり、オメガである」とあり、「最初であり、最後である」と記している。
 ならば、彦根神社の神は、「これ以上の神はいない、最高の神である」という意味を込めた尊敬と畏怖の「ん」なのではないだろうか。しかし、妄想の域を出ず未解決、謎のままだ。

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