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小太郎の記事一覧

  • 2012年9月14日

    今も……、  水が流れている ひと
    トンボ研究家 澤田弘行さん

    澤田弘之さん(能登川博物館提供)  8月末、澤田さんに連絡しなくてはならないことがあって電話をかけたら、思いがけず澤田弘行(65)さんの声がした。携帯電話のインデックスには、「澤田・澤田」と入っている。昔は、どっちの澤田さんか、「澤田・澤田」で覚えていたのだが、それを忘れるくらい2人の澤田さんと連絡をとってい... 続きを読む

  • 2012年9月12日

    摺針峠 まち・文化

    神明宮からの眺望。かつて、弘法大師が植えた杉は残っていないが、その場所に石碑がある。  峠を越える、峠を引き返す。いずれにしても断固たる決意が必要な時代があった。  摺針峠は、中山道、番場宿(米原市)と鳥居本宿(彦根市鳥居本町)の間にある峠だ。  修行中の弘法大師(空海)がこの峠にさしかかった時、白髪の老婆が... 続きを読む

  • 2012年8月20日

    幽霊画を巡る 幽霊の話を聞く まち・文化

     『目に見えないモノを見ることができるかもしれない旅をしませんか?現世(うつしよ)と幽世(かくりよ)の狭間、湖東・湖北の伝承を追いかけ文化遺産を巡るツアーに出かけませんか?』というゴーストツアーの5回目は「ゆーれーの章」らしい。沖島、彦根、柏原の幽霊画を巡り、幽霊の話を聞く文字通り「ゴーストツアー」となる。 沖... 続きを読む

  • 2012年8月13日

    今年も シャグマが揺れる まち・文化

     長浜市余呉町下余呉太鼓踊り(滋賀県選択無形民俗文化財)の奉納が、8月19日(日)に行われる。 太鼓踊りは、明治時代、京都の東本願寺再建の際、『能登から原木を髪でなった縄で引っ張ってきた人足の疲れを癒すために、太鼓踊りを踊った』(初出『滋賀県湖北昔話集』)のが由来とされ、乎彌(おみ)神社の夏季祭礼とし... 続きを読む

  • 2012年7月30日

    森 哲荘展のこと まち・文化

    森哲荘さん  森哲荘さんは、1946年生まれで今年65歳。米原市下丹生で、15歳から50年、木彫一筋に生きてきた職人だ。僕らは哲荘さんと呼ばせていただいている。  最近では、小林秀雄のCDを貸していただき、そのついでに『森哲荘展』のDMをいただいた。ついでに的渡し方がいかにも哲荘さんらしいのである。僕らは以前... 続きを読む

  • 2012年7月11日

    天地明察 まち・文化

    海津天神社の「算額」(高島市マキノ町海津1253)  何年ぶりだろー、本屋で3冊のハードカバーを買った。目的の書籍があったわけではない。背表紙を眺め、気が合う本かどうかを確かめながら買った。書籍にも相性がある。『天地明察』(冲方丁ーうぶかたとうー著)はリアルな体験をしながら手に入れた1冊で、ぱらぱらと頁をめく... 続きを読む

  • 2012年7月9日

    平穏な日常 まち・文化

     どちらかというと、僕の毎日は平穏だと思ってはいる。そしてまた、夏がやってくる。嫌なわけじゃない。雨が降らなければ、日曜日には、佐和山の麓にあるお寺「仙琳寺」の竹藪を整備している。ドーッと汗をかいて大量のミネラルウォーターを飲んで、寝てしまおうと考えている。どちらかというと、自分にとっては好ましいことだ。この竹藪... 続きを読む

  • 2012年6月25日

    正直である。そして、謙虚である。 ひと
    ダンサー tadashiさん

     杉原禎さん(27)。ダンサーとして「tadashi」の名前で有名である。実は小学校6年生頃の彼を知っていて、僕は、少しだけその人生の時間を共有したことがある。今、その彼が誇らしく、眩しい存在として目の前にいる。  「tadashi」さんは、高校に入学し、間もなく退学(多分一ヶ月未満)。京都のダンススクールに通い... 続きを読む

  • 2012年6月20日

    隧道と村田鶴 佐和山隧道 まち・文化

    佐和山町側から撮影  湖東・湖北に大正時代から昭和初期にかけて竣工したいくつかの隧道(ずいどう・すいどう )がある。「隧道」とは、トンネルの古い呼び方だそうだ。湖東・湖北の隧道のいくつかは、美しい意匠を持ち、設計者は「村田鶴(むらたつる)」という人物だった。前回、横山隧道(長浜市鳥羽上町/米原市菅江)の記事を... 続きを読む

  • 2012年6月4日

    隧道と村田鶴 横山隧道 まち・文化

    横山隧道米原市側 横山隧道長浜市側  トンネルは魅力的である。それを抜けた時に現れる新しい世界にいつもワクワクする。そういえば、子どもの頃も、ジャングルジムでも、土管でも穴を抜ければ向こう側にはいつも別世界が広がっていた。紙を丸めた筒だって同じである。  一ヶ月ほど前、彦根の佐和山の裾野にある仏生山... 続きを読む

  • 2012年5月28日

    90年の轍 森先生のこと まち・文化

     森雅敏さんから案内状が届いた。僕らは森先生と呼んでいる。世の中に多くの森先生がおられるけれど、僕らが森先生と言うときには雅敏さんのことである。  『醒井木彫美術館創立10周年を節目に、森大造と雅敏の造形二世代展をささやかですが企画いたしました。  森大造は大正11年(1922)に醒井から東京へ出て、以来戦... 続きを読む

  • 2012年5月25日

    和ろうそくの植木 まち・文化

     何が好きかって、こういうまちの風景が好きだと改めて思う。彦根市田附町の信行寺の植木? 明らかに和ろうそく型に刈り込まれている。炎の形といい、ボディの錨型の曲線といい、バランスが良い。  この和ろうそくを見つけた時の顛末を僕はビールを飲みながら2時間は話すことができる。愚痴で満たされた2時間よりは、よほど幸福な気... 続きを読む

  • 2012年5月21日

    波兎、再び まち・文化
    鍾馗さんにはかなわぬ、波兎

    長浜市湖北町小今 小泉神社本殿  僕は、波間を跳ぶ兎のキュートな文様に魅せられコレクションしている。この文様の別名は「竹生島文様」という。「波兎」「波に兎」「波のり兎」などの呼び方もある。  前回、『波兎に呼ばれる!』というタイトルで、野田神社(長浜市野田町)の竹生島文様の記事を書いたが、5月19日午前10時... 続きを読む

  • 2012年5月9日

    湖北の切支丹灯籠 まち・文化

     以前のDADAに「湖北のキリシタン灯籠」の記事がある。面白いテーマだと思った。  『織田信長はキリスト教布教に寛大だったが、信長の後を継いだ豊臣秀吉はバテレン追放令を出し、宣教師を国外追放。徳川の世となるとキリシタンへの弾圧と迫害はさらに強まり、幕府は踏み絵を強制するなどキリシタン狩りを行った。しかし熱心な信者... 続きを読む

  • 2012年5月3日

    龍神とトンネル まち・文化

     今年は辰年、龍神について調べていたら、龍神とトンネルの話にいきあたった。  東海道本線・米原~彦根間には、昭和31年(1956)11月19日に電化されるまで、短いトンネルがあった。仏生山(むしやま)トンネルという。現在のJR琵琶湖線より山側、滋賀県東北部浄化センターの敷地内を走っていた。当初、トンネルではなかっ... 続きを読む

  • 2012年4月30日

    波兎に呼ばれる! まち・文化

    社左側の竹生島文様 右側も同様の彫り物がある。野田神社の御祭神は少彦名命・受保命。波と兎といえば大国主命である。少彦名命は、大国主命と共に国造りをした神様である。その関係からこの文様が社殿にあるのかもしれない。  信じられないかもしれないが、本当の話だ。波兎が僕を呼んでいる。僕は、波間を跳ぶ兎のキュートな文様... 続きを読む

  • 2012年4月16日

    神蛙 まち・文化

     愛荘町軽野辺り……、雨が降ると春が近くなるのだからと、暖かくなればそれだけで全てが変わるはずだと、効果的な努力をすることもないまま道に迷った。年度末の工事で、迂回路の指示を無視して方角だけを頼りに走った結果である。「急がば回れ」、「終わり良ければ全て良し」、僕は「神蛙」に出会うことになった。ほ場整備の完了を示す... 続きを読む