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小太郎の記事一覧

  • 2011年7月19日

    波うさぎ再び まち・文化

     波とうさぎの文様は、大抵はうさぎが波の上を走る場面を捉えたものが多い。この文様の別名を「竹生島文様」といい、僕は近江発祥だと信じて疑わない。  数年前まで、彦根市城町2丁目の民家の屋根に波うさぎの瓦があったが忽然と取り外されていた。ちゃんと写真に撮っておきたいと思っていた矢先のことである。何度か撮ってはいたが、... 続きを読む

  • 2011年7月13日
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    七夕 まち・文化

     七夕の朝、雨が降っていた。天の川を隔てて輝く、わし座のアルタイルを牽牛星(彦星)、こと座べガが織女星(織姫)、一年に一度だけ逢うことを許された夜である。世界の何処かで、晴れている事を願った。  七夕伝説には様々なバリエーションがあるが、実は、天の川での逢瀬が年に一度叶うロマンチックな話でもない。働き者の二人は結婚し、... 続きを読む

  • 2011年6月29日

    高宮の心を東北へ…… まち・文化

     2011年(平成23年)3月11日、金曜日。東北地方太平洋沖地震と津波、その後の余震による大規模地震災害。  文章にすると、約50字。その50字の出来事が世界の人々の心に様々なカタチで記憶され、言葉にならない思いで繋がっている。  『高宮の心を東北へ』は、彦根市高宮町の加藤親生さん・馬庭将行さんが立ち上げた実行... 続きを読む

  • 2011年6月27日

    忘れてはいけないこと まち・文化

     米原市米原公民館で『東日本大震災 報道写真ギャラリー 記憶 2011.3.11 PM2:46 忘れてはいけないこと』と題した写真展が6月7日〜22日の間、開催された。日本経済新聞社編集局写真部記者が撮影した東日本大震災関連写真と取材メモが展示されていた。  タイトルボードには『目を背けてはいけない何かがそこには... 続きを読む

  • 2011年6月20日
    No Image

    メダカ まち・文化

     5年ほど前から、事務所でメダカを飼っている。猫も興味が無いらしくトラブルは無い。今年、初めて卵が孵化した。毎年、生まれていたのだろうが気づかなかっただけだろう……。半月くらいになるが、コップの中で、透明なからだを振るわせながら水の中を移動している様子はなかなか可愛く、観ていると時間を忘れるくらいである。生まれたのは7... 続きを読む

  • 2011年6月18日

    彦根〜米沢支援金贈呈式 義の継承 まち・文化

    支援金贈呈式の様子  豊臣秀吉は、石田三成・直江兼続の二人の才覚・才能を愛したといわれている。三成は「わしの亡きあと天下を窺うに足る」と言わしめ、兼続を「日本の宰相がつとまる」と激賞したといわれている。  二人は仲がよく、それも素晴らしくよく、若い頃、義兄弟の盟約を結び、三成にしても兼続にしても、秀吉没後の世... 続きを読む

  • 2011年6月2日

    波うさぎの文様再び! まち・文化

    伝馬所門右側 伝馬所門左側  「竹生島文様(波うさぎの文様)」を、僕は淡海発祥だと考えている。北国街道木之本宿、かつて伝馬所だった山路清平邸の門の両側にも、「波うさぎ」の文様がある。波を渡る兎を正面からとらえた図像だ。門の右側の瓦には2つに分かれた波に6つの波頭が、左側には4つの波頭が描かれ、時間の... 続きを読む

  • 2011年5月18日

    江國寺の波兎 まち・文化

     彦根市本町にある江國寺の大黒堂の竹生島文様(一部)である。金箔を背景に跳ぶ波兎を見たのはここだけだ。  大石内蔵助は江國寺の大黒天像に、常に念じ続けたといわれている。『大黒天之由来』には『常寺に安置奉る所の大黒尊天は往昔元禄三年播州赤穂の城主浅野内匠頭の忠臣無二の遺人大石良雄が常に念づる処の本尊にして此の大黒天... 続きを読む

  • 2011年5月16日

    江遠望 2011
    彦根城天守・西の丸三重櫓 まち・文化

    彦根城天守  慶長5年(1600)、関ヶ原合戦後、井伊直政は徳川家康より、石田三成の佐和山城と18万石を与えられたが、慶長7年(1602)関ヶ原での戦傷がもとで亡くなった。彦根城と城下町の建設は、彦根藩主第2代直孝の時代で、家康の命により天下普請で行われ、慶長9年(1604)に始まり、20年近い歳月を経て完成... 続きを読む

  • 2011年5月13日

    高靇神 — 龍に戴く冠 まち・文化

     田に水が入る頃、名前の解らない神様に出会った。東近江市池田町辺り、愛知川沿いの堤防にその神様はおられる。雨を冠に龍と書く漢字を読むことができない。「毎月1日と15日に、お花を供えています」という地元の夫人の話では、「水の神様と聞いています」ということだった。愛知川河岸の「高靇神」は、龍神様には違いはなかろ... 続きを読む

  • 2011年4月25日

    波兎、北風に至る…… まち・文化

     『波兎の文様』コレクターである。古くから人気のある文様で家紋や陶磁器によく使われている。文様の名は別名『竹生島文様』とも呼ばれ、その名は謡曲『竹生島』に由来する。  緑樹影沈んで  魚木に登る気色あり  月海上に浮かんでは  兎も波を奔るか  面白の島の景色や  少なくとも僕は『竹生島』に由来するとそう考え... 続きを読む

  • 2011年3月27日

    三成の気持ち まち・文化
    夢京橋あかり館企画展示 MITSUNARI 11

     気になるイベントがある。「三成イレブン」……よく解らない。ホームページに、主催者の次のようなメッセージがあった。  「MITSUNARI 11」の展示イベントについては、開催を自粛すべきとの意見も多数ありましたが、検討を重ねたうえ、予定通り開催することにいたしました。  三成の気持ちは、「大一大万大吉」の旗印に象... 続きを読む

  • 2011年3月15日

    「刻を繋ぐ」 まち・文化

     世間が春めいてくると胸の奥深くでチクチクと疼く小さな固まりがある。春にだけ反応する。その正体は明らかで、何かとの出会いであったり、別れであったりする。或いは、見てはいけない忘れられぬ美しい春の光景なのかもしれない。チクチクと痛む……。  そんな時に届いた「刻を繋ぐ」というちくちく。パッチワークキルト展である。小さな... 続きを読む

  • 2011年3月9日

    日本の風景 オコナイ まち・文化
    長浜市木之本町

    木之本町の田神山観音寺のオコナイ  「オコナイ」は今となっては不思議な儀式である。少し前までは当たり前に行われていた祭礼で、不思議と感じるのは何かしらの失ってしまった欠片の多くがあることを、感じることができるからだろう。  「オコナイ」とは、『村内の豊作と安全を祈願し、一月から三月にかけて繰り広げられる祭りの... 続きを読む

  • 2011年3月4日

    波兎の文様 まち・文化

     湖を渡る船に乗り、冬の竹生島に上陸した。周辺は水深100メートルを越え、島は湖底から塔のようにそびえ立っている……。  目的は、波と兎の文様(竹生文様)の写真を撮ること。竹生島文様というからには、この島にも文様はなければならない。確かに兎は、唐門にあったが、波は彫られていない。僕が今まで見てきたどの竹生島文様とも... 続きを読む

  • 2011年2月19日

    1000まで49 まち・文化
    ボランティア110番動物園

    「動物さんの野菜畑です。狸さん。荒らさないでね!」の看板  雪が積もって境界が判らなくなった駐車場の向こうは畑なのだろう……。「動物さんの野菜畑です。狸さん。荒らさないでね!」と手書きの看板があった。「ふれあいひろば ボランティア110番動物園」。  行き場をなくした小動物たちが命をつないでいる場所である。園... 続きを読む

  • 2011年1月23日
    No Image

    たくさん雪が降った日 まち・文化

     僕は雪が降ると本当は嬉しい。嬉しいなどと書くと、何を言うてんにゃ〜、大変なんやぞ!と言う人もいる。身動きがとれずに僕も嬉しいことばかりではないが、雪が降ると嬉しいのだ。いろんなリズムが変わる……。  ものすごくたくさんの雪が降って、電車がとても遅れた日、僕は上京しなくてはならなかった。約束の時間には到底辿り着くことが... 続きを読む