波兎、再び

鍾馗さんにはかなわぬ、波兎

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2012年5月21日更新

長浜市湖北町小今 小泉神社本殿

 僕は、波間を跳ぶ兎のキュートな文様に魅せられコレクションしている。この文様の別名は「竹生島文様」という。「波兎」「波に兎」「波のり兎」などの呼び方もある。
 前回、『波兎に呼ばれる!』というタイトルで、野田神社(長浜市野田町)の竹生島文様の記事を書いたが、5月19日午前10時30分から彦根の花しょうぶ通りにあるひこね街の駅「寺子屋力石」で、この文様について話す機会を得た。『鍾馗さんにはかなわぬ、波兎』というタイトルで、次のように案内させていただいた。
 「今、巷では『鍾馗さんMAP』なるものが話題になっている。民家の屋根に厄払いの願いを込めて置かれたものだ。お寺の鬼瓦の対面に多くあり、「見返し」「睨み返し」という。そして、鍾馗さんの足下にも及ばないが、家屋や蔵、神社やお寺にキュートな文様が存在する。波と兎の文様。陶器にもよく描かれているあの文様だ。この波兎、実は「竹生島文様」という立派な名がある。
 竹生島というからには、淡海発祥の文様であるに違いない。

彦根市平田町 明照寺鐘楼

 彦根に存在する竹生島文様を中心に、湖東湖北の竹生島文様を紹介しながら、淡海発祥の妄想を語る。」
 『鍾馗さんを探せ!!京都の屋根のちいさな守り神』(小沢正樹著・淡交社)が今年2月に発売されたり、彦根でも鍾馗さんMAPの構想が年内にも実現するという。科挙試験に失敗して自殺したけれど、唐の初代皇帝に手厚く葬ってもらった恩に報いるためと、6代皇帝玄宗の夢に現れ、病から救った鍾馗さんは、屋根の上で再び注目を集めている。鍾馗さんほど有名ではないけれど、波兎も素敵だよという話をしながら、この文様の持つ意味を暴きたい。が……しかし、妄想の域を出ない。更に今、何時か整理しなくてはと思いながらカンカンに入れ放しになっている写真を整理し始めたところだ。もっと厄介なのはデジタルデータで、何処に保存したのか検討もつかない。5月19日まであと2週間。竹生島、いなばのしろうさぎと大国主命、瑞獣、高天原……、波兎のイメージは広がるばかりだが、ひとつのまとまったモノにする良い機会を与えていただいたことに感謝し、精一杯のことはしたいと思っている。
 ところで、前回の野田神社に続き、長浜市湖北町小今の日吉神社の波兎を新しく見つけた。神社の祭神は、大山咋命(おおやまくいのみこと)。大山に杭を打つ神、すなわち大きな山の所有者の神を意味する。大国主とは直接関係はなさそうだが、とにかく長浜市湖北町小今にも美しい一対の波兎の彫り物がある。そして長い間その存在を知りながらも撮影をする機会を逃していた彦根市平田町、明照寺鐘楼の波兎を撮ることができた。
 鍾馗さんにはかなわないが、
湖東・湖北に存在する波兎を沢山紹介しながら、この文様が淡海発祥であるという妄想を語るつもりである。
 是非……お時間あればご参加ください。

 

ひこね街の駅「寺子屋力石」《談話室》 それぞれの彦根物語

日時 平成24年5月19日(土)10:30〜12:00
会場 ひこね街の駅「寺子屋力石」彦根市河原2丁目3-6(花しょうぶ通り)
お問い合せ  滋賀大学社会連携研究センター(彦根市馬場1-1-1 / TEL: 0749-27-1141)

会場周辺には駐車スペースがありませんので、ご配慮の程お願いします。

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

小太郎

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