平穏な日常

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2012年7月9日更新

 どちらかというと、僕の毎日は平穏だと思ってはいる。そしてまた、夏がやってくる。嫌なわけじゃない。雨が降らなければ、日曜日には、佐和山の麓にあるお寺「仙琳寺」の竹藪を整備している。ドーッと汗をかいて大量のミネラルウォーターを飲んで、寝てしまおうと考えている。どちらかというと、自分にとっては好ましいことだ。この竹藪の整備をはじめて3年目。昨年は腰の具合が悪かったのでほとんど役に立たない人材だった。おかげで随分キレイになった。
 夜が短い。夜中を過ぎてしばらくすると、外が白くなっているのに気がつく。冷たい朝の空気は好きだし、曇り空でも朝は瓶の底にいるみたいでいい感じである。不満があるわけではない。
 真っ昼間に風呂に入った。大抵はシャワーですませているのだが、湯船につかった。明るい…、窓から緑が見えたのには驚いた。そしてもっと驚いたのは、鼓動に合わせて波紋が広がっていた……。ちょっとすごいじゃないか。
 歯槽膿漏の猫を病院に連れて行く。注射を3本。猫にしてみれば迷惑な話で、車に乗った時の加速度を覚えているのだろう。病院が近くなると、不満の声を漏らす。次には、違う道を通ってやるぞと思っていても直ぐに忘れるけれど、猫との関係は良好だ。
 もう、それだけでいいという時間がある。夏の悩みのないパカーンと音をたてたような青空。目に入る汗が痛くて笑えるし、瓶の底にいる感覚は誰とでも共有できるものではない。鼓動の波紋は僕の残り時間を暗示する。
 ただ、やりたいことが山ほどある。僕が平穏だと思う日常は、程度の差で、何処が平穏なんだと誤解を招くこともあるし、平穏のために、別の平穏を無くしていることもある。謙虚でありたいと、一番難しいことを思う。
 蛍を見に行ってないことを雨の日に思い出す。

小太郎

スポンサーリンク
関連キーワード