彦根〜米沢支援金贈呈式 義の継承

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2011年6月18日更新

支援金贈呈式の様子

 豊臣秀吉は、石田三成・直江兼続の二人の才覚・才能を愛したといわれている。三成は「わしの亡きあと天下を窺うに足る」と言わしめ、兼続を「日本の宰相がつとまる」と激賞したといわれている。
 二人は仲がよく、それも素晴らしくよく、若い頃、義兄弟の盟約を結び、三成にしても兼続にしても、秀吉没後の世の中がどう動くか、先を考え行動し、東西呼応して家康を挟撃する密約があったと広く信じられている。約400年前、自分の信じる正義のために戦った二人の戦国武将の友情である。当時、友情という概念があったかどうかは疑問だが、現在から過去を振り返る時、そう見える。
 6月5日、「彦根〜米沢『義の継承』支援金贈呈式」が米沢の「戦国の杜」で行われた。  彦根と米沢は、NHK大河ドラマ「天地人」放送前から、彦根の花しょうぶ通り商店街が中心となり、石田三成をモチーフにした「いしだみつにゃん」と米沢の直江兼続をモチーフにした「かねたん」とのゆるキャラ交流など、様々なつながりのなかで、今回の運びとなった。

米沢市長に支援金を手渡した

 贈呈式では、花しょうぶ通り商店街ナイトバザール、ひこね街の駅戦國丸での募金(ゆるキャラ募金)と、4月23日に行われた『「戦国無双」東日本大震災チャリティーイベント「義のために!」』(主催・夢京橋あかり館/協力・株式会社コーエーテクモゲームス)での募金、その他、株式会社コーエーテクモゲームス、夢京橋あかり館の義援金を合わせた約150万円を「いしだみつにゃん」が、安部三十郎米沢市長に手渡した。支援金は、米沢市内に避難しておられる方々や同市の運営するボランティア団体に贈られ、活用される予定だ。
『「戦国無双」東日本大震災チャリティーイベント「義のために!」』は、現在夢京橋あかり館で開催中の『MITSUNARI 11』の一環として行われたイベントである。
 「戦国無双」は株式会社コーエーテクモゲームスが制作する戦国アクションゲームのシリーズで、そこには、石田三成と直江兼続が「義」を通じて共感しあい、助け合うストーリーが描かれている。

かねたん(右)といしだみつにゃん

 『MITSUNARI 11』は、石田三成と志を同じくし関ヶ原を戦った武将らを肖像画と共に紹介し、漫画「センゴク」の宮下英樹氏が描いた石田三成肖像画(原画)や、「戦国無双」シリーズに登場する武将キャラクターの等身大パネルを展示するなど、歴史と漫画、そしてゲームが同じフロアに同居する企画展である。
 石田三成の旗印は、「大一大万大吉」。「一人が皆のために、皆が一人のために働けば、天下太平となる」。三成の気持ちはこの旗印に象徴されている。 東日本大震災からの復興に向けて、「大一大万大吉」の精神を具現する人々の姿を目の当たりにする中で、400年前に三成と兼続が培った友情が、今もそしてこれからも、続くことを証明したイベントが、『彦根〜米沢「義の継承」』ではなかったろうか……。

 

小太郎

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