波うさぎ再び
波とうさぎの文様は、大抵はうさぎが波の上を走る場面を捉えたものが多い。この文様の別名を「竹生島文様」といい、僕は近江発祥だと信じて疑わない。
数年前まで、彦根市城町2丁目の民家の屋根に波うさぎの瓦があったが忽然と取り外されていた。ちゃんと写真に撮っておきたいと思っていた矢先のことである。何度か撮ってはいたが、逆光だったり、腕のせいだったりで、確かなものではなかった。更に、不運だったのは、そのお宅は引っ越しをされたらしく人の住んでいる気配が無く、瓦の所在を確かめる術は無かった。近所の人も知るはずがない。 ところが今年6月、戸口が20センチほど開いていた……。
幸運というか、願いを忘れなければ通じるものである。それは残っていた!。
数年ぶりの再開を果たし、実物を手にした。こうなっているのか……肉眼で細部まで見える。
しかし、何故、この文様をかつて人々が屋根に戴いたかは相変わらず謎のままである。
【小太郎】