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小太郎の記事一覧

  • 2014年11月17日

    黒田武士と彦根市甘呂町 まち・文化

     唐突だが、『黒田武士と彦根市甘呂町』という話だ。丁度この間、NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』に「日本号」が登場していたらしい。  「日本号」とは、黒田節「酒は呑め呑め呑むならば/日本(ひのもと)一のこの槍を/呑みとるほどに呑むならば/これぞまことの黒田武士」の歌詞がよく知られている日本一の槍のことで、天下三槍の一筋「日... 続きを読む

  • 2014年11月12日

    「そういえば」という記憶 まち・文化

     「そういえば」という記憶が街にはたくさん張り付いている。長浜の大手門通り商店街を歩いていた時、かどやさんの時計があった。パン職人とバスケットに焼きたてのパンを入れて抱える少女のフィギュアは西洋の風貌である。そういえばここはパン屋さんだったな…。あとはズルズルと記憶がもどってくる。実は、街と時計の話がしたい。  ... 続きを読む

  • 2014年10月22日

    波うさぎ(竹生島文様) まち・文化

    長浜市小谷丁野町 / 岡本神社境内観音堂  波間を跳ぶうさぎの文様の名は「竹生島文様」という。「波うさぎ」「波にうさぎ」「波のりうさぎ」などと呼ばれることもある。  謡曲『竹生島』に「緑樹影沈んで魚木に登る気色あり 月海上に浮かんでは兎も波を奔(はし)るか 面白の島の景色や」と謡われ、神秘的で美しい情景が浮か... 続きを読む

  • 2014年10月15日

    角大師の護符 まち・文化

     久し振りに、玉泉寺(長浜市三川町)に立ち寄った。角大師の護符が欲しかったからだ。以前に訪れた時は虎姫町だったから随分と昔のことになる。  玉泉寺は、比叡山中興の祖と仰がれる慈恵大師良源の生誕地に建立された寺である。良源は元三大師(がんざんだいし)の名で知られ、おみくじの原型をつくった人だが、一般にはほとんど知ら... 続きを読む

  • 2014年10月6日

    弥高いも まち・文化

     実はこれ、サツマイモである。国道365号線の一本山側の道を関ケ原方面へしばらく行くと右側にある。どうして今まで気づかなかったのか…、止まってゆっくり観賞したいと思うほど、リアルなサツマイモだった。名産なのだろうか…、車を止めて写真を撮った。草が絡みつきはっきりしないが、どうやら「弥高いも園」と書いてある。  道... 続きを読む

  • 2014年9月29日

    湖水からの眺め まち・文化

     雨の多かった夏が逝った。突然、彼岸花が咲き始め残暑もなかった気がする。近頃、湖の風景がしみるのは思うようにならなかった夏のせいかもしれない。  僕は、彦根の長曽根にある波止めが大好きである。子どもの頃近くで育ったせいかもしれない。波止めはたくさんの思い出とともに僕の裡にある。正式な名を「波止め一文字」といい、近... 続きを読む

  • 2014年9月15日

    よみうり夏まつり in 日夏 まち・文化

     8月24日(日)、彦根の平和堂日夏店駐車場で「よみうり夏まつり in 日夏」というイベントが行われた。主催は読売新聞湖北ブロック(YC木之本・YC浅井・YC近江長浜・YC米原・YC高宮・YC甲良・YC彦根中央・YC多賀・YC彦根東・YC日夏・YC彦根西部・YC愛知川・YC五個荘・YC能登川)。  野外イベントだったの... 続きを読む

  • 2014年8月27日

    清凉山不動院のこと 後編(下) まち・文化

     多賀町敏満寺にある清凉山不動院(高野山真言宗)は不思議なところである。そして、僕が不動院を好きなのは、住職の佐々木琳慧(りんけい)さんのオリジナリティーだ。仏典、密教の加持祈祷術は勿論だが、暦を熟知し、諸葛孔明以来の奇門遁甲を極め、易、陰陽道、風水、気功、そして神道にも深く通じておられる。祭壇の最上段には「四面... 続きを読む

  • 2014年8月18日

    清凉山不動院のこと 後編(上) まち・文化

     僕はいつものように祈祷をしていただいた。佐々木さんは、大抵、般若心経を唱え、「臨・兵・闘・者・皆・陳・烈・在・前」と、刀印(とういん)を結んで九字を切り、不動明王の真言を唱え、手刀をおさめる。その後、全く想像もつかない独得の方法で気を整えてくれるのだが、この日は法衣をまとい祝詞を奏上し、九字を切るときとは別の言... 続きを読む

  • 2014年7月30日

    清凉山不動院のこと 前編 まち・文化

    神仏習合の不動院  多賀町敏満寺にある清凉山不動院(高野山真言宗)は不思議なところである。  僕は「何かある」と不動院を訪ねることが多い。「何か」というのは、日々平穏無事を祈り、そのバランスが崩れたような時だ。住職の佐々木琳慧(りんけい)さんに、祈祷をしていただき、気を整えていただく(県外の参拝者も多い)。毎... 続きを読む

  • 2014年7月22日

    世界で一番すてきな発明 まち・文化
    自動鐘撞き装置

     法盛山正覚寺(犬上郡甲良町横関571)の梵鐘が、人の姿もないのにゴーンと時を告げる……。都市伝説や妖怪変化の仕業ではない。機械工学で実現した「自動鐘撞き装置」の話である。  実際に鐘を撞く寺院にとって、毎日、同じ時間に同じ回数だけ撞くことは、責任のある仕事で、季節や天候によっては過酷だったりする。この煩雑な鐘撞... 続きを読む

  • 2014年7月14日

    最新作 まち・文化

     昔買った本の帯に「最新作」と書いてあった。この本はどれだけ時間が過ぎても帯がある限り最新作なのだ。こうして考えながら原稿を書いている今、「最新作」の帯みたいだなと思っている。  僕は子どもの頃、多分小学校の2年生の夏休みくらいまで、世界との接続が上手くいかなかった。僕が眠るとき世界は眠り、目覚めると世界は動き始... 続きを読む

  • 2014年7月1日

    近代化遺産としての印刷物 1
    佐和山神社の行方 まち・文化

    『近江鉄道湖東御案内』部分(大正4年 吉田初三郎筆 個人蔵)  「近代化遺産」とは、一般的には幕末・明治維新から第二次世界大戦終結までという近代を物語る構造物のことをいうが、近代化の様子を知ることができれば、紙(印刷物)でも石でも何でも近代化遺産だと僕は思っている。そして、今注目は、観光パンフレットや鉄道沿線... 続きを読む

  • 2014年6月2日

    政所の波兎(竹生島紋様) まち・文化

     波間を跳ぶうさぎの文様の名は「竹生島文様」という。「波うさぎ」「波にうさぎ」「波のりうさぎ」などと呼ばれることもある。  謡曲『竹生島』に「緑樹影沈んで魚木に登る気色あり 月海上に浮かんでは兎も波を奔(はし)るか 面白の島の景色や」と謡われ、神秘的で美しい情景が浮かんでくる。謡曲『竹生島』の竹生島は琵琶湖のそれ... 続きを読む

  • 2014年5月15日

    奇祭・茶わん祭 まち・文化
    余呉町上丹生

     5月4日。余呉町上丹生で伝統の「丹生茶わん祭」(県指定無形民俗文化財)が行われた。かつては3年に1度行われていたが、人手不足などが原因で、今年は5年振りの開催となる。前回の2009年の開催は6年振りだった。僕は二度目の経験だ。その時はこんな記事を書いた。  「昔、上丹生と下丹生の境近くにある末遠(すえとお)とい... 続きを読む

  • 2014年5月5日

    近江高天原の証明!? まち・文化

    近江高天原と書かれた沿線地図『近江鉄道沿線名勝之栞』(近江鉄道株式会社 1928年)(個人所蔵)  「古事記は近江の國を中心とした出来事の記録だ」と記したのは彦根高等商業学校(現・滋賀大学経済学部)の橋木犀之助教授である。古事記(こじき、ふることふみ)は、和銅5年(712)、天武天皇の命で稗田阿礼の「誦習」を... 続きを読む

  • 2014年4月23日

    I’s Art paint ひと
    音瀬伊都子さん

     夢京橋キャッスルロード沿いのチョークアートカフェ「Cafe & Bar 伊沙羅(イザラ)」は、編集部の向かいにある。2階からの眺めは僕らの日常の一部になっている。いつ頃からだろう…、チョークアートの素敵な看板が通りを飾っていた。そもそも、チョークアートとは何なのか? 様々な定義があるが、黒い背景にオイル... 続きを読む