最新作

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2014年7月14日更新

 昔買った本の帯に「最新作」と書いてあった。この本はどれだけ時間が過ぎても帯がある限り最新作なのだ。こうして考えながら原稿を書いている今、「最新作」の帯みたいだなと思っている。
 僕は子どもの頃、多分小学校の2年生の夏休みくらいまで、世界との接続が上手くいかなかった。僕が眠るとき世界は眠り、目覚めると世界は動き始める。全ては僕の前でのできごと……。それぞれの人にそれぞれの人生があるなんて思いもしない時代があった。僕が認識できたモノだけが全てだった。どんなふうにして、世の中を理解できたのかは覚えていない。多分、長い時間が必要だったのだろうけれど、今度は世界が僕に関係なく動き始めた……。これでは小学校の2年生の夏休みくらいまでと同じだ。今の時代に最新作もあったものではないが、まだ読んでいない「最新作」があるかもしれないと、開き直った。今も昔も何も変わらない。

小太郎

スポンサーリンク
関連キーワード