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小太郎の記事一覧

  • 2014年4月16日

    桜の記憶 まち・文化

     桜の花が咲くと必ず思いだすことがある。菜の花や菖蒲といった季節を代表する花も同じように記憶の何処かにつながってはいるけれど、桜の思い出は、他の花とは少し違った心の場所にある特別なものなのかもしれない。  僕の場合……、中学校のグランドが姿を現す。彦根西中学の出身で、グランドの桜は僕らが植樹したものだ。背丈ほど... 続きを読む

  • 2014年3月21日

    波うさぎを求めて まち・文化

     僕は、波間を跳ぶうさぎのキュートな文様に魅せられコレクションしている。この文様の名は「竹生島文様」という。「波うさぎ」「波にうさぎ」「波のりうさぎ」などの呼び方もある。  謡曲『竹生島』に次のような一節がある。「緑樹影沈んで 魚木に登る気色あり 月海上に浮かんでは 兎も波を奔(はし)るか 面白の島の景色や」(「... 続きを読む

  • 2014年3月14日

    佐和山遊園のこと まち・文化

     実は、僕は国道8号線佐和山トンネルの近くにある「佐和山遊園」が近頃随分気に入っている。最初は「なんだかなー」と思っていたが、実際に訪れてみると素晴らしいのである。  偽物といってしまえばそれまでだが、実に、自由奔放に石田三成時代の佐和山を再現しているのだ。造形物は長い歳月をかけて増殖していったのだろう。過去のも... 続きを読む

  • 2014年3月12日

    三成の戦 まち・文化

    宮下英樹氏が描いた「石田三成肖像画」は、夢京橋あかり館にて展示中。  3月15日(土曜日)、彦根の清凉寺で「三成の戦2」というトークイベントが「今、なぜ三成なのか?」をテーマに行われる。また、彦根市・米原市・長浜市の三成公を慕う団体などが集結する「三成会議」もある。『「佐和山十九万四千石の故郷」として三成公の... 続きを読む

  • 2014年3月11日

    3.11 まち・文化

    彦根市下西川町  東日本大震災により被災された方々に改めて心からお見舞い申し上げます。  東北地方を中心として、日本列島に甚大な被害をもたらした東日本大震災から、3年。震災関連のニュースも以前ほどには報じられなくなり、多くの被災地では今も復旧・復興のための努力が続けられている。  3月15日土曜日、彦根の清凉... 続きを読む

  • 2014年3月3日

    デリーのナンを食べに行こう お店
    インド&ネパールレストラン デリー

     駄洒落は好まない性格だが、インド&ネパールレストラン デリーのナンを食べた後には「また、ナンを食べたいナン」と話している自分がいたので照れくさかった。デリーのナンは駄洒落が出るくらいに昂揚するのである。スパイスなどは全てインドから直輸入、そしてナンはオーダーが入ってから土釜で焼く。本物のナンを食べることができる... 続きを読む

  • 2014年2月26日

    オコナイの季節 2 まち・文化

     「オコナイ」とは、村内の豊作と安全を祈願し、一月から三月にかけて繰り広げられる神事のことだ。基本的には、御鏡をつくり神仏に供え、直会があり、次の年のトウヤ(頭屋・当屋・塔屋/「屋」を「家」とする場合もある)を決める。丁度今頃がオコナイの季節だ。  木之本町北布施のオコナイを見学させていただく幸運に巡りあわせた。... 続きを読む

  • 2014年2月17日

    オコナイの季節 まち・文化

     「オコナイ」は今となっては不思議な儀式である。少し前までは当たり前に行われていた祭礼で、現代の効率と効果を追い求める社会において、何かしらの失ってしまった欠片の多くがあることを、感じることができる。過去より受け継いだ文化の最後の砦である。  「オコナイ」とは、『村内の豊作と安全を祈願し、一月から三月にかけて繰り... 続きを読む

  • 2014年1月16日
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    戦国の世と現代 まち・文化

     NHK大河ドラマは『軍師官兵衛』。そして2014年は、大坂冬の陣400年。湖東・湖北は今年も戦国ブームで盛り上がることだろう。  僕はどちらかといえば戦国時代があまり好きではない。戦国武将の生き様はそれぞれ小説を読む限り魅力的だし、石田三成の再評価にも興味津々だが、戦国という血で血を洗う戦乱の時代に、実際、人がどんな... 続きを読む

  • 2014年1月3日

    五色のいなり寿司 お店
    いなり寿司専門店 扇

     いなり寿司とは、甘く煮た油揚げの中に寿司飯(酢飯)を詰めたというシンプルなものだが、いなり寿司専門店「扇」で食べたいなり寿司は、いなり寿司と名のってはいるが全く違ったものに思えた。加えてにんまりと嬉しくなるくらい旨い。  油揚げの色が五色。黄金、抹茶、一味、ゆず、竹炭、どれも自然からいただいた色で、陰陽五行の木... 続きを読む

  • 2013年12月16日

    百と桃 まち・文化

     毎年、初詣で賑わう多賀大社は、昔は多賀社という名だった。明治維新後、国家神道が確立化されるなかで、多賀社は、明治4年(1871)に県社兼郷社、明治18年(1885)に官幣中社となり、大正3年(1914)に官幣大社に昇格する。昇格奉告祭や奉祝祭が行われたことが記録されている。国家管理のもとで天皇の祖神とされる天照... 続きを読む

  • 2013年12月12日

    天狗残滓 最終回 まち・文化

     かつて、鬼と河童と共に日本三大妖怪と讃えられ、一世を風靡した天狗は、今、何処にいるのか。12月14日・15日に行われる彦根ゴーストツアーが契機となり、その残滓を探す「天狗残滓」の4回目はとりあえず最終回。今回は伝説や昔話に天狗の痕跡を探してみることにした。  長浜市木之本町田部の観音堂に「天狗杉」と呼ばれる木が... 続きを読む

  • 2013年11月29日

    波うさぎを求めて——石馬寺 まち・文化

     僕は、波間を跳ぶうさぎのキュートな文様に魅せられコレクションしている。この文様の別名は「竹生島文様」という。「波うさぎ」「波にうさぎ」「波のりうさぎ」などの呼び方もある。  謡曲『竹生島』に次のような一節がある。「緑樹影沈んで 魚木に登る気色あり 月海上に浮かんでは 兎も波を奔(はし)るか 面白の島... 続きを読む

  • 2013年11月18日

    餌指町の「大蔵省」・余呉町菅並の「北海道」 まち・文化

    餌指町の大蔵省用地石碑  僕はずっと場所にある記憶やモノに宿っているはずの記憶、多分、そういうのが好きなのだと思う。勝手に考え盛り上がり、適当なところで遡るのを諦めて喜んでいる。そういう作業が気に入っている。  彦根には城下町特有の地名が残っていて、今でも、地の人は誇りを込めて旧い町名で話をする。例えば、連着... 続きを読む

  • 2013年11月6日

    小鮎塚(米原) versus 石川千代松博士(彦根) まち・文化

    醒井養鱒場 小鮎塚  二宮金次郎と零戦の話から皇紀2600年が気になっている。昭和15年は西暦1940年。昭和の年号に25を加えれば西暦の下二桁になった。西暦に660年加えれば皇紀になる。皇紀とは、史上初の天皇となったといわれる神武天皇の即位年を紀元として数える日本独自の年代の数え方である。  さて、琵琶湖の... 続きを読む

  • 2013年10月21日

    彦根も盛り上がるかもしれない「黒田武士と日本号」 まち・文化

    天九郎俊長淬刃之水(天の井)  NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』。ドラマの主人公黒田官兵衛(1546~1604年)のルーツを巡り、長浜市や米原市が盛り上がっている。今回は彦根も「黒田武士」で盛り上がるかもしれないという話である。  彦根市甘呂町に「天九郎俊長淬刃之水(てんくろうとしながさいとうのみず)」という石... 続きを読む

  • 2013年9月30日

    零戦 まち・文化

     二宮金次郎のことを書いていて「零式艦上戦闘機」のことを考えた。二宮金次郎像は「皇紀2600年に当たり、銅像建立もピークにだったようである」というくだりでだ。宮崎駿監督のアニメ『風立ちぬ』も話題になっていたからでもあろう……。『風立ちぬ』は零戦設計者堀越二郎と、文学者・堀辰雄の人生に、宮崎駿の思いを投影した... 続きを読む