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小太郎の記事一覧

  • 2015年10月13日
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    石田三成顕彰歌 まち・文化

     彦根は、国宝彦根城を有する井伊家の城下町だ。2017年のNHK大河ドラマが「おんな城主 直虎」に決まり俄に活気づいている。井伊直虎は彦根藩初代井伊直政の養母である。直政は井伊家としては二十四代にあたる。徳川屈指の精鋭部隊を率いる直政は関ケ原の合戦後、石田三成の本拠であった近江佐和山18万石を拝領し、佐和山城に入った。... 続きを読む

  • 2015年10月5日

    竹生島紋様 まち・文化

     東近江市平林町にある「和田神社」を訪れた。石塔寺へ行くはずだったがちょっとした道草である。僕には、カーナビで目的地を設定しても役に立たない。実に魅力的な神社で、結局、石塔寺はまた次の機会となった。  まず、鳥居から本殿に続く石の階段がいい。途中に勧請縄が吊られ、振り返ると溜池の遙か向こう側に秋の夕日が空を染めよ... 続きを読む

  • 2015年8月14日

    兎の釘隠 まち・文化

    高山陣屋「真向兎」  岐阜県高山市を訪れる機会があり、「高山陣屋跡に兎の釘隠があるよ」と教えてもらった。僕は「波と兎」の文様のコレクターだ。高山市のホームページを見ていると青海波と兎を組み合わせたデザインが背景に施されていることに気づく。多分、高山陣屋跡の兎の釘隠に由来するのだろうと考えていた。しかし実際は、... 続きを読む

  • 2015年8月12日
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    鬼債ない まち・文化

     「鬼催ない」と書いて「きせない」と読む。かつて、彦根には「きせない祭り」或いは「きせない行列」という夏の祭りがあったと聞いていた。町ごとに行われていた少女達の夏の祭りだというだけで、起源も様子も判らなかった。ずっと気になっていたのだが『彦根藩士族の歳時記 高橋敬吉』(藤野滋編 サンライズ出版)に記してあった。高橋敬吉... 続きを読む

  • 2015年7月27日

    弥生の道のキノコ まち・文化

    ベニヒガサ キホウキタケ ロクショウクサレキン  僕は少し前まで、ふらふらと近くの山を歩くのが好きだった。最近はその機会も少なくなったが、「左手地蔵」のおかげで名越町の「弥生の道」というハイキングコースを歩くことができた。  歩くのは楽しい。例えば、この日は赤、青、黄色のキノコを見つけた。勿論... 続きを読む

  • 2015年7月15日

    賢治のカレーセット登場 お店
    テイシンカフェ

     ハンドドリップで丁寧に淹れた珈琲が美味しい「テイシンカフェ」で『賢治のカレー』を食べることができるようになった。ドリンクが付いたセット1000円(税込)。  『賢治のカレー』というのは、以前も書いたがタマネギの甘さが生きた懐かしい味のカレーである。  大正11年(1922)6月18日オープンした「金亀食堂」は... 続きを読む

  • 2015年7月6日

    ヒツジグサ まち・文化

     睡蓮は絵や写真で幾度も見たことはあった。「ヒツジグサ(未草)」という名前があることを初めて知った。それが「未草」だと判ってみると新しいイメージが湧いてくるから不思議だ。  「未草」は、未の刻(午後2時頃)に花を咲かせることから名付けられたといわれている。睡蓮の「睡」の漢字も手伝って、湿潤な明るい夢の中…。  近... 続きを読む

  • 2015年6月29日
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    近代を知る手掛かりとして まち・文化

     彦根では7月10日から、「井伊直弼生誕200年祭」が始まる。数々のイベントが計画されている。  戦国時代はどんなに美化して語ったとしても人と人が殺し合った時代だ。勿論、僕にも一人や二人ご贔屓の武将がおり、当時の事跡を追いかけるのも好きだが、どうしてもこの時代にのめり込めないでいる。そしてもう一つのめり込めない理由があ... 続きを読む

  • 2015年6月15日

    水をめぐる御利益 まち・文化

    「大日池」2012年撮影  湖の郷では田に水が入り湖面が広がったようだ。写真でしか見たことのない内湖の風景をかさね想像すると、さながらこの郷は水の王国だ。  季節は梅雨。空から水が落ちてくる。この水が流れ落ち、ひととき留まるところで御利益が生まれ語り継がれている。例えば僕の祖母の家では、神棚に供えた「神さんの... 続きを読む

  • 2015年5月13日

    モガ、モボたちの『賢治のカレー』 まち・文化

     「モガ」と「モボ」、その言葉が流行っていたころのことを僕らは知らない。初めてその言葉を聞いたときの文脈から、「モッズ」から派生した何かのように随分長い間思っていた。  「モガ」と「モボ」は、大正末期から昭和初期の「モダンガール」「モダンボーイ」、今風に言えば「イケてる」若者たちのことだ。この時代「彦根の町にもカ... 続きを読む

  • 2015年4月27日
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    めぐりめぐる季節 まち・文化

     「桜の季節が終わりを告げると柔らかい緑が一斉に芽吹き始める。それは鮮やかで、湿潤な透明度は、萎えるベクトルを存在理由にしている僕の気持ちにも、とにかくワッー!と鮮やかを注ぎ込むのには充分だった。おかげで、薄いピンクの花の季節から威勢のよい緑の季節の狭間に、黄色い世界があることを忘れていた。春の初め頃から黄色い世界はあ... 続きを読む

  • 2015年4月20日

    路上観察・始めました 5
    不可能な落書き まち・文化

     長浜市大宮町、大通寺に向かう通りにある駐車場に隣接するブロック塀の向こう側に白壁の蔵のような建物があった。中心市街地にぽっかりと明るい空き地があり、有刺鉄線も懐かしい。白壁に落書きがしてあった。  「落書き」は、語源を辿れば政治・社会や権力者などに対し、批判や社会風刺を述べた匿名の文書の「落書(らくしょ)」にあ... 続きを読む

  • 2015年3月24日

    長久寺「普門白桜」遠望 まち・文化

     彦根市後三条町にある「普門山長久寺」は長久3年(1042)、高野山の善應僧都開創の古刹だ。江州彦根観音とも呼ばれ、観音堂には本尊千手観世音菩薩(聖徳太子作伝)が祀られている。雨壺山の麓にあるこの寺は訪れる者の興味によって様々な姿をみせてくれる。  原稿を書いている今頃は「御覧の梅」が香っていることだろう。推定樹... 続きを読む

  • 2015年3月2日

    天女とかぐや姫 1 まち・文化

    菅原道真十一歳の像(菅山寺蔵)  余呉湖周辺には日本一古い羽衣伝説が伝わっている。 「余呉の郷の湖に、たくさんの天女が白鳥の姿となって天より降り、湖の南の岸辺で水遊びをしていた。伊香刀美は天女に恋心を抱き、白い犬に羽衣を一つ、盗み取らせた。天女の一人は、羽衣がないため飛び立てず、伊香刀美の妻となり、4人の子供... 続きを読む

  • 2015年2月25日

    路上観察、始めました 3
    大正7年、古絵葉書のあの場所 まち・文化

     嬉しいことがあった。僕には突き止めたい場所というのがいくつかある。それらしい場所の近くへ行くと、確かめてみることにしているのだが、当てが外れるのが常だ。そういうことが面白い時代が多分、誰にでもある。最近は時間に追われる事も多くふらふらすることもなくなったが、雨や雪、陽が差したりと、落ち着かない空模様の午前... 続きを読む

  • 2015年1月11日

    映画『バンクーバーの朝日』と彦根・湖東 まち・文化

    1915年 初代朝日チーム。後列左から2人目、宮崎松二郎・中央列左から3人目、北川初次郎・前列左から3人目、北川(堀居)由太郎(彦根市教育委員会 歴史民俗資料室 小林 隆氏所蔵『Asahi : A LEGEND IN BASEBALL』より)  彦根のビバシティシネマで上映中の映画『バンクーバーの朝日』のこと... 続きを読む

  • 2014年12月29日

    ふたつの目標 まち・文化
    五個荘野球スポーツ少年団

     2014年、僕は五個荘野球スポーツ少年団の写真を二度、撮ることになった。  一度目は、浅井町野球場で行われた(10月4日・5日)「第33回読売旗争奪小学生軟式野球大会」で彼らが優勝した時。二度目は、東近江市長山運動公園グランドで行われた(12月14日)「第3回R421三重・滋賀親善交流大会」だった。この大会は、... 続きを読む