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まち・文化

  • 2021年12月26日
    No Image

    DADAは701号である

     来年の干支は「壬寅(みずのえとら)」。十二支「寅(虎)」の年である。寺田寅彦について書いておこうと思ったのは「寅」という漢字が名前にあるからという理由からではないが、2022年を迎える前の今号に相応しいのではないかと思う。  寺田寅彦は、物理学者である。夏目漱石と同時代の人物であり、「天災は忘れた頃にやってくる」とい... 続きを読む

  • 2021年12月15日

    湖東・湖北 ふることふみ 87
    『水と石垣』

    坂本城跡湖中石垣 令和3年11月18日撮影  令和3年の秋、滋賀県に台風被害のニュースが聞こえなかった。台風での増水を防ぐために事前に琵琶湖の水が放出されているため琵琶湖の水位低下が深刻な問題となっている。  この反面、私のような歴史好きにとっては何年かに一度のチャンスとも考えてしまう。それが湖中史跡の出現で... 続きを読む

  • 2021年12月8日

    Fox Hole no.5

    狐の穴  「Fox Hole」、文字通り「狐の穴」である。今まで何度かFox Holeについて書いてきた。ある程度のボリュームがあるものはDADAジャーナルで4回ほど。最初の原稿は2017年、この原稿を5回目とする。  Fox Holeは稲荷の社に空けられた穴のことだ。コンクリートや石組みの台座に空いている... 続きを読む

  • 2021年11月30日

    「石田群霊碑」参道整備
    彦根市清凉寺

     11月23日、第20回近江中世城跡「琵琶湖一周のろし駅伝」が行われた。佐和山は午前10時過ぎにのろしがあがった。前日は雨が降っていたが石田三成のイベントがあるときには必ず晴れるらしい。三成ファンの間では「治部少晴れ」という。僕はこの日の午後、「石田群霊碑」参道整備に参加した(三成の戦実行委員会主催)。  石田... 続きを読む

  • 2021年11月28日
    No Image

    大丈夫、心配ないよ

     緊急事態宣言が解除になり、11月、コロナ禍で自粛していた昨年のイベントの数々が行われた。元通りとまではいかないが、少し前の世界がもどってきたようである。彦根の商店街でも「えびす講」があり、多くの人で賑わっていた。  僕は商店街へ向かう親子やカップル、お年寄りや若者グループとすれ違った。皆、嬉しそうだった。心底楽しそう... 続きを読む

  • 2021年11月17日

    千代宮常夜灯と柳町

    イントロ 石川千代松先生像  石川千代松博士の胸像写真が必要だったので撮りに行ったときの話だ。彦根の旧港湾、かつて鮎苗協同組合があった場所(彦根市元町)、船町の交差点近くにある。昭和49年(1974)、石川先生小鮎移殖顕彰会が建立したもので、「石川先生顕彰の碑」には次のように記されている。 「石川千代松... 続きを読む

  • 2021年11月10日

    湖東・湖北 ふることふみ 85
    『彦根城総構え400年』(六)

    彦根市本町三丁目の信号から見る彦根城天守  今更ではあるが「総構え」の定義は難しい。城を中心とした外郭と解釈されている。単純に考えると防衛や生活・経済が城と総合的に結び付いていて堀や土塁などで囲まれた区域である。  中国などの諸外国の城は城下町を含み高い城壁に囲まれている光景である。これに対し日本の城は城下町... 続きを読む

  • 2021年10月13日

    湖東・湖北 ふることふみ 85
    『彦根城総構え400年』(五)

    彦根城下町の食い違い(彦根市本町二丁目)  前回、彦根城下町は彦根道から始まったと考えられることを記した。これは彦根だけの話ではなく都市計画においては当たり前のことである。しかし、時代の需要によって町の形は変わってくる。  古代は京都市内に碁盤の目として今でも残るような条里制が主流であり、この形は都市だけでは... 続きを読む

  • 2021年10月6日
    No Image

    言葉のBefore After

     「大改造!!劇的ビフォーアフター」(朝日放送テレビ)という番組があった。テレビをほとんど観ないので今も続いているかどうかはわからないが、住まいの大改造を通して、再び「家族の絆・やすらぎ」を取り戻すことを目的とした番組である。 「Before After(ビフォーアフター)」は、関ヶ原の戦いBefore After、新... 続きを読む

  • 2021年10月1日

    アメフトのまち・長浜でフラッグフットボールの振興を

    7月、長浜市民体育館での体験会で 長浜はアメリカンフットボールの聖地!?  他のまちにはない長浜だけが紡ぎ続けた歴史……。それはアメリカンフットボール(以下、アメフト)である。  今を遡ること71年前、1950年に旧長浜市立第四中学校(現在の市立南中学校)でタッチフットボール部が創部された。これは... 続きを読む

  • 2021年9月28日

    みつほのみや
    賀茂神社

     近江八幡市の「賀茂神社」は僕にとって不思議な神社だった。3か月程前に受けた仕事が終わり、納品のために加茂町に向かった。9月7日、天気も上々、気分もよかった。 目的地まで2分ほどのところで、スマホのルート案内に従うと、そこは大きな神域を持つ賀茂神社だった。僕は導かれたような気がした。  車を駐め、早速車内で検... 続きを読む

  • 2021年9月8日

    湖東・湖北 ふることふみ 84
    『彦根城総構え400年』(四)

    鳥居本宿南端・彦根道への石柱  《道》は不思議である。「すべての道はローマに通ず」との有名な言葉があるように日本が記録に残る歴史を有する前から人類史の中で道は重視されていた。では道が人類の英知なのかと言えば、それは否と答えざるを得ない。動物が動く場所には目に見える形で獣道ができる。また植物が繁殖するルートも道で... 続きを読む

  • 2021年8月25日

    奇っ怪な奉納物「ヤッサ」

    胴は麦藁を束ね千草で覆い麻縄で縛る。麻縄の上に菅を巻く。胴の上には船を乗せる。船は千草と菅で編んだもので形作られている。  「ヤッサ」は、犬上郡甲良町金屋に伝わる伝統祭事だ。集落にある「金山神社」の森に奇っ怪なオブジェが吊されており、それが何なのか、真実をずっと知りたかった。  今年3月、コロナ禍で休業してい... 続きを読む

  • 2021年8月15日
    No Image

    夏は妖怪の季節

     夏は妖怪や幽霊の季節である。彼(彼女)らは年中僕らの側で様子をうかがっているにもかかわらず、涼を求めて怪談やらホラー映画、肝試しなど、何処かでお決まりのイベントが行われている。  日本のお盆は、あの世から帰ってくる霊魂をお迎えし、そして送り出す風習だ。ご先祖様や家族、親しい友人をお迎えするだけならいいのだが、帰ってき... 続きを読む

  • 2021年8月11日

    湖東・湖北 ふることふみ 83
    『長曽根郷土史』

    『長曽根郷土史 わがふるさと長曽根の歴史』表紙  歴史調査に欠かせない情報として郷土史がある。  郷土史作成は、行政が市史・町史などの編集時に協力した郷土史家の声掛けや歴史継承の危機感など多くのきっかけがあるが平成から令和へと時代が進む今は郷土史を作成する最後のチャンスであるとも言える。それは太平洋戦争を経験... 続きを読む

  • 2021年8月4日

    山内さんの 愛おしいもの・コト・昔語り  番外編「山内さんの本」

    日本には古くから伝えられてきた文化や風習があります。 それは日本人の心の中に生き続けてきた貴重な財産です。 それが近年、急速に忘れ去られようとしています。 私は先人の〝知恵〟や〝想い〟が埋もれてしまうのをしのびなく思い、私の人生で経験し、心の糧として大切にしてきたことなど、記憶を掘り起こして、お話ししました。 ... 続きを読む

  • 2021年7月28日

    カミロボ再び!
    400体の作品が集結

     懐かしい人からメールが届いた。「8月に故郷の滋賀で初めての作品展をすることになったので、お知らせのメールをさせていただきました。場所は愛荘町の愛知川びんてまりの館です」。「カミロボ」の安居智博さんだった。子どもの頃から紙と針金による紙工作「カミロボ」を作り続け、その数は600体以上。現在は作品発表と共に、 フ... 続きを読む