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青緑の記事一覧

  • 2012年5月7日

    語り部が伝える賤ヶ岳合戦 まち・文化

    「賤ヶ岳合戦語り部の会」 山口忠義さん、小川敬子さん、村上宣雄さん  「長浜戦国大河ふるさと博」の会場のひとつ木之本エリアは、織田信長の後継を巡って羽柴秀吉と柴田勝家が争った賤ヶ岳合戦に焦点をあてている。ふるさと博は、史跡を野外博物館として位置づけ、北近江の戦国史を紹介しており、賤ヶ岳もそのひとつだ。頂上では... 続きを読む

  • 2012年3月28日

    私が出会った宇宙 ひと
    眞野丘秋さん

     昔……、高い熱が出て浅い眠りしかできない日には、なぜか同じ夢を見た。私の場合、小さい人と模様だった。小さい人はいつも3人で、甲高い声で何かを話し続けており、不規則な形の模様は浮かんでは消えていく。その形や質感や色彩を人に説明するのは難しい。ただ、強烈な印象だけを残し、今でも忘れることはできない。眞野丘秋(まのたか... 続きを読む

  • 2012年3月12日

    時を遡り、旅するように…… ひと
    フルート奏者 井伊亮子さん

    井伊亮子さん  私にとって笛は小学校時代のリコーダーである。だから井伊亮子さんが手にしているフルートを間近に見たときは、70センチはあるだろうその長さに驚いた。「端のキィまで手が届かないために、小さな子どもはフルートに触れ合う機会がなかったんです。今はU字管のフルートも登場し、手の長さを気にせず練習することも... 続きを読む

  • 2012年3月5日

    襖のその先にあるもの…… お店
    野田版画工房

    野田拓真さん、藍子さん夫妻  緑を含んだ青いうねりと光の具合で文字でも絵でもない紋様が浮かび上がる。しんと静かな日本家屋の中で独特の存在感を 放っている。「野田版画工房」の一室の襖のことである。私の知る襖の柄のどれとも似ていなかった。  襖を装飾するための紙を唐紙(からかみ)と呼ぶ。野田版画工房は唐紙づくりを... 続きを読む

  • 2012年1月24日

    花嫁は、みんな妹みたい ひと
    アトリエ ZARA 池田久美子さん

    池田久美子さん  「アトリエZARA」は、オーダーメイドのウェディングドレスを手がける小さなアトリエである。子どもの頃から洋裁が大好きだったという池田久美子さん(36)が5年前に開いた。大学時代、友人にウェディングドレスを制作したことが、ドレスづくりのきっかけだった。社会人になってからも依頼は続き... 続きを読む

  • 2012年1月16日

    あれこそ聞こえ候ふ竹生嶋にて候へ
    白龍現る! まち・文化
    源平ゆかりの地—竹生島

     平家の台頭から没落までを書いた「平家物語」(巻7)に、竹生島を舞台にした話がある。平経正(つねまさ)が、木曽義仲討伐に赴く道中に竹生島を訪れる「竹生島詣」だ。経正は平清盛の甥で、平家一門のなかでも詩歌管弦に優れ、琵琶の名手として知られた人物だ。 ——木曽義仲討伐のために、平家の兵たちは北陸を目指していた。隊の将... 続きを読む

  • 2012年1月2日

    源頼朝が戦勝祈願した「旗神さま」 まち・文化
    源平ゆかりの地 豊満神社

     祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり  沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす  おごれる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし  たけき者もつひには滅びぬ ひとへに風の前の塵に同じ 愛荘町の豊満神社  平家の栄枯盛衰を描いた平家物語の冒頭である。学生の頃、暗記した人も多いだろう。物語のなかで、死の... 続きを読む

  • 2011年12月30日

    KUWASAKEスイーツ お店
    山路酒造

    北国街道沿いの山路酒造  木之本、北国街道沿いの山路酒造の創業は、天文元年(1532)。480年の歴史をもち日本でも最古級に数えられる酒蔵である。創業当時から作られてきたのが桑酒。文豪島崎藤村も愛飲したことで知られている。  桑酒は、桑の葉を使ったリキュールである。原料もつくり方も日本酒とはまったく異なってい... 続きを読む

  • 2011年12月19日

    歴史に二人の源義経あり! まち・文化

     「歴史に二人の義経あり!」平家打倒の最大の労を功したのは「源(九郎)義経」、そして、彼とほぼ時期を同じくして活躍したもう一人の義経がいた。湖北出身の「源(山本)義経」である。  聞くところによると、九郎義経は源義家の子孫で、源平の合戦で華々しく登場し、悲劇の最期を遂げた英雄である。一方、山本義経は義... 続きを読む

  • 2011年11月30日

    ファブリカ村から始まる…… お店
    ファブリカ村

     能登川にファブリカ村というスペースがある。カフェがあり、ギャラリーがあり、アトリエがあり、ライブスペースがある。そして織機がある。ここは、10年前まで麻製品をつくる北川織物工場という場所だった。  ファブリカ村を運営するのは、北川陽子さん(49)と順子さん(47)姉妹だ。 「創業者の父の死後、操業を停止していま... 続きを読む

  • 2011年11月18日

    湖畔のまちの古書店 お店
    さざなみ古書店

    さざなみ古書店  中村恭子さん(61)は、ふらりと旅で訪れた長浜に一目で惚れて、北九州市から移り住むことにした。一目惚れだから多分、理由は無い。このまちで暮らしたいと思い、前々から淡く抱いていた古書店をしたいという願望が形になり、今年9月、長浜のまちなかに「さざなみ古書店」を開いた。中村さんが長浜に移り住んで... 続きを読む

  • 2011年10月31日

    源義経と舎那院 まち・文化

     ——昔々。京の都では、怪僧弁慶が、夜な夜な通行人の刀を奪いこれを千本集めているという噂で、おそれられていた。千本目となるある夜のこと、牛若丸という少年が弁慶の前に現れた。弁慶は牛若丸の立派な太刀を奪おうと長刀を振り回すものの牛若丸は華麗にかわし、手に持った扇を投げ弁慶の額に命中させた。降参した弁慶は、牛若丸... 続きを読む

  • 2011年9月26日

    火の用心を呼びかける独特の響き
    夜回りの錫杖 まち・文化

    木之本の夜回り  私が住んでいる町内では、数週間に1度夜回り当番が回ってくる。拍子木を打ち、担当エリアを巡回する。隣町では拍子木の代わりにドンドンと太鼓が鳴る。太鼓も新鮮だったが、木之本町木之本では拍子木と共に錫杖を使う。錫杖に付けた紐を持ち、引きずって歩くのだ。  錫杖は、僧侶が仏道修行のために持つ道具の1つ... 続きを読む

  • 2011年9月16日

    飾って楽しい、使ってうれしい Söpöのしあわせっけん ひと

    石けん作家の近藤由紀子さん  りんご、動物のシルエット、水玉、空、波、パステルの淡い色にモチーフが浮かぶ。スタンプや消しゴムのようにも、おいしそうなお菓子にも見えたり……、実は、みな石けんなのだ。  長浜市に住む近藤由紀子さん(34)は、石けん作家である。「Söpö」というウェブサイトで手づくり石けんを公開、... 続きを読む

  • 2011年8月5日

    湖北のキリシタン灯籠 まち・文化

    国友町「因乗寺」のキリシタン灯籠  イエズス会のフランシスコ・ザビエルによってキリスト教が日本に伝来したのは、鉄砲伝来と同じ天文18年(1549)のことだ。織田信長はキリスト教布教に寛大だったが、信長の後を継いだ豊臣秀吉はバテレン追放令を出し、宣教師を国外追放。徳川の世となるとキリシタンへの弾圧と迫害はさらに... 続きを読む

  • 2011年7月1日

    麗しく潤おしい……Japanを伝える ひと
    塗師 渡邊嘉久さん

    塗師 渡邊嘉久さん  七職という言葉がある。仏壇製造に必要な7種の職、総木地師、塗師、金箔押師、宮殿師、彫刻師、蒔絵師、錺金具師のことだ。浜仏壇の製造で知られる旧長浜市内にも、七職が点在する。  塗師の渡邊嘉久さん(47)も、その一人である。漆塗りを専門にする渡邊仏壇店の3代目だ。20年前に塗りの世界に入り、... 続きを読む

  • 2011年6月14日

    石の側らに…… ひと
    磯部瑛仁さん

    アメリカ先住民居住区でペリドットを採集(2歳)  小さな男の子がハンマーを手に岩場にいる写真を見せていただいた。磯部瑛仁(いそべあきひと)さん1歳。父に連れられて採集に訪れた場所での記念写真である。瑛仁さんは、現在近江兄弟社高校3年生、17歳になる。12歳のとき多賀の鍾乳洞・佐目の風穴で、古代人の歯を発見した... 続きを読む