オコナイの季節

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 長浜市 2014年2月17日更新

 「オコナイ」は今となっては不思議な儀式である。少し前までは当たり前に行われていた祭礼で、現代の効率と効果を追い求める社会において、何かしらの失ってしまった欠片の多くがあることを、感じることができる。過去より受け継いだ文化の最後の砦である。
 「オコナイ」とは、『村内の豊作と安全を祈願し、一月から三月にかけて繰り広げられる祭りのことである。西日本で広範囲に執り行われており、島根半島の北部ではオコニャと呼び、同様の行事は有明海沿岸の村でも行われている。しかし、これほど高密度にオコナイと呼ばれる行事が村々で営まれている地域は、滋賀県をおいてほかにない。とりわけ、琵琶湖の北部にあたる湖北地域と、湖から離れた内陸部の甲賀地域において盛んである。しかしながら、その由来や変遷を辿ることは現在では困難になっている。』(オコナイ  湖国・祭りのかたち/INAX BOOKLET) 
 基本的には、御鏡をつくり神仏に供え、直会があり、次の年のトウヤ(頭屋・当屋・塔屋/「屋」を「家」とする場合もある)を決める。しかし、そのディテールは村々によって、御鏡の形状や供え方、つくりもの、神饌、注連縄(しめなわ)など全て、隣接する集落であったとしても、異なっている。湖国では正月から3月にかけてがオコナイの季節だ。
 「彦根ゴーストツアー」は、見えないモノを「ゴースト」と位置づけ、現世と幽世の狭間、湖東・湖北の伝承を追いかけ文化遺産を巡るTour 旅である。「Don’t think of something….., just FEEL IT.」がキャッチコピーだ。  今年3月に予定されているのが「オコナイの章」。オコナイの研究家でもある中島誠一長浜市曳山博物館館長がナビゲーターとして同行する。「オコナイ」の基礎知識を学ぶと共に、ツアー2日目に東近江市春日神社の祭礼を見学することになっている。
 東近江市の曾根(そね)・妹(いもと)・中戸(なかと)・鯰江(なまずえ)の集落が守り伝える春日神社の祭礼だ。8日に御祭神(ごさいしん)を本社から各宮座へ迎える「降神祭」があり、翌9日の祭りの当日、再び御祭神を本社へ奉納する。御祭神は板御幣(いたごへい)で、一時代前の木製の雪かきに似ていることから、地元では「雪かき祭り」とも呼ばれている。
 湖国では「オコナイ」が終われば春がやってくるという。里にまで下りてきた春を探しにいこう。
 ところで、「妹」は本来「井元」と書いた。春日神社には大神社講・弁水(べんすい)講・神部(かんべ)講・田楽(でんがく)講・星生(ほっしょう)講・新弊(しんぺい)講の六つの宮座があり、この六つの宮座は愛知川の用水権と深く関わりをもっていた。板御幣は水を堰き止め、田畑に水を引き込む用水板だろうか……。3月9日、間近で板御幣を観てみたいと思っている。

彦根ゴーストツアー 聖と邪の境界を巡る「オコナイの章」

2014年3月8日〜3月9日
モニターツアー参加者募集 20名・最少催行人員 15名
旅行代金(お一人様)  ¥18,000(税込)
1泊3食付き: 8日夕食・9日朝食と昼食

3月8日(土)
彦根駅東口=(13:00集合・13:15出発)→聖と邪の境界を巡る(ナビゲーター中島誠一氏)→(17:30)一圓屋敷 多賀「里の駅」(夕食)・夕食後、中島氏による「近江のオコナイ」のお話(20:40発)→(21:00着)ホテルサンルート彦根着
Navigator 長浜市曳山博物館館長  中島誠一氏

3月9日(日)
*中島誠一氏には、9日もツアーに同行していただきます。
ホテルサンルート彦根(6:00発)→(6:15着)清凉寺(坐禅・作務・朝食)(9:00発)→(9:40着)東近江市妹「オコナイ見学」(12:00発)→(12:20着)岡村本家遊亀亭(犬上郡豊郷町)昼食・旭堂南海師の講談(14:30)→酒蔵見学(15:30発)→(16:10着)彦根駅東口解散
Guest Speaker 上方講談師 旭堂南海師

企画・実施 近江屋ツアーセンター

TEL: 0749-23-0038
滋賀県知事登録旅行業2-68号 旅行業務取扱管理者  田渕正人
〒522-0071 滋賀県彦根市元町4-1
滋賀県湖東合同庁舎1階(営業時間 8:30~17:15)

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

小太郎

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