伊吹大根から生まれた「旬彩お初ロール」

道の駅 伊吹の里 旬彩の森

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 米原市 2011年3月2日更新


伝統野菜の伊吹大根

 野菜スイーツが人気だという。文字通り野菜を使った和洋菓子で、パンプキンプリンとかキャロットケーキなどはお馴染み。とうもろこしやごぼうを使ったお菓子なんていうのもあるらしい。スイーツとしての野菜の可能性は幅広いようだ。
 この冬、大根を使ったロールケーキに出会った。正確には伊吹大根の糖蜜漬けを使ったロールケーキだ。
 伊吹大根は伊吹地域で栽培されてきた伝統野菜だ。一般の大根より短めの寸胴で、葉の根元が赤紫になっていることがある。おろすと強い辛味があるのが特徴で、「伊吹辛み大根」と呼ばれることもある。「もともと大久保の集落で栽培されてきた品種なのですが、住民の方にとっては伝統野菜という特別な意識はなかったそうです」と地元産野菜の直売所・伊吹の里旬彩の森の中田裕子さん(29)が教えてくださった。

「旬彩お初ロール」

 伊吹といえば、日本のそばの発祥の地とも伝えられ、そばの薬味に大根おろしは定番。伊吹大根おろしの辛味は相性が良く、そば人気と共に需要が高まったという。
 ご当地野菜を活用したいと、中田さんらスタッフは3年ほど前から伊吹大根の加工開発に取り組んできた。「大根特有の香りを消すのが最大の難関でした。あくを抜き、糖度を高くし、長時間煮込むことで、辛味もなくしました。洋梨のコンポートのような感じに仕上がっています」。開発の過程には伊吹大根は煮崩れしないという特徴が生きたのだ。糖蜜漬けは細長い角柱切りにし、いわゆる金太郎飴状態で生クリームと合わせて生地で巻き込んである。生地には地元のもち粉を、卵も地元産を使って伊吹発の野菜スイーツをアピールしている。
 ロールケーキの名前は「旬彩お初ロール」。大河ドラマで注目を浴びている浅井三姉妹の次女の名を冠している。初が米原市内に菩提寺のある近江の名門・京極氏に嫁いでいることにちなんだネーミングだ。
 大根は風邪の民間療法に重宝される食材でもある。蜂蜜や水あめに大根を漬けたエキスは喉に良いというし、大根おろしのスープは体を温めてくれる効果があるそうだ。旬彩お初ロールと伊吹大根があれば鬼に金棒、おいしい風邪の予防と対策ができそうだ。

 

道の駅 伊吹の里 旬彩の森

滋賀県米原市伊吹1732-1 / TEL: 0749-58-0390
営業時間  9:30〜17:00
定休日 3月までは木曜日 / 4月〜12月は無休

3月末までの限定販売……旬彩お初ロール1本1,200円、2カット500円

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

椰子

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