いちごシフォンとさんしょうのラングドシャ

洋菓子店 ミュール

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 米原市 2010年6月20日更新

伊吹山のふもとにある「ミュール」

 伊吹山のふもとに洋菓子店「ミュール」がオープンしたのは、去年のことだ。ふもとへ続く、それこそ長閑な一本道の途中にある。小さな手作りの看板と周囲の家と異なる雰囲気で「ここかもしれない」と通り過ぎることはないだろう。
 「ミュール」はフランス語で「ブラック ベリー」のことだ。ショーケースには、シフォンケーキや、数種のロールケーキ、タルト類が並んでいる……。ふと、ケーキの定番イチゴショートはなく「いちごシフォン」と書かれていることに気づいた。

白谷明子さん

 「実は、私自身がスポンジに生クリーム、フルーツの組み合わせが得意ではなくて……。生地そのものがおいしいというケーキが好きなんです」。
 シフォンケーキのように生地を楽しんでもらうのが一番だと、白谷さんは考えている。スポンジの代わりにシフォン生地を使ったケーキのデコレーションはとてもシンプルだ。
 優しく、かわいらしいケーキと、ケーキを焼く白谷明子さんの雰囲気が重なっていく……。それにしても、人柄が現れるというか……。どういうケーキを作っていきたいのか、言葉ではないところで解るのが白谷さんのケーキである。
 「お菓子作りの工程で粉を混ぜ合わせるところが一番好きですね。粉の混ぜ方ひとつで焼きあがりの出来が変わってくるんです」。
 山のふもとへ続く長閑な空気もいっしょに混ざって、フワフワのシフォンができあがる。気泡のひとつひとつが季節を、そして焼きあがりの出来は、白谷さんの気持ちを映す……。

意外な組み合わせもおいしいミュールのケーキ

 来店したお客さんが「これ好きなのよ」と言って買っていかれたのが「さんしょうのラングドシャ」だった。ラング・ド・シャはフランス語で「猫の舌」という焼き菓子である。
 「ラングドシャに粉山椒をふりかけています。意外な組み合わせですが、おいしいんですよ」。
 独学で製菓を学んだ白谷さんは、今も東京までお菓子教室へ通い、自分らしいケーキ作りの裏付けとレベルアップを図っている。さんしょうのラングドシャも、そんな中で生まれたひと品だ。ということは、ミュールのケーキは、白谷さんの想う方向に、カタチも味も変わっていくということで、私はいちごシフォンと季節のケーキを追いかけることに決めた。これもまたミュールの楽しみ方に違いない。

 

ミュール

滋賀県米原市上野801-1 / TEL: 050-7001-5474
営業時間 10:00〜18:30 / 木・第3水曜休

シフォンケーキ(プレーン、ミルク、くるみ&チョコなど数種が日替わりである) 200円〜
いちごシフォン 320円、チーズタルト 286円、さんしょうのラングドシャ 210円など

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

椰子

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