賢治のカレーセット登場

テイシンカフェ

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2015年7月15日更新

 ハンドドリップで丁寧に淹れた珈琲が美味しい「テイシンカフェ」で『賢治のカレー』を食べることができるようになった。ドリンクが付いたセット1000円(税込)。
 『賢治のカレー』というのは、以前も書いたがタマネギの甘さが生きた懐かしい味のカレーである。
 大正11年(1922)6月18日オープンした「金亀食堂」は彦根初の西洋料理店だった。オーナーシェフは谷澤賢治という。二代目の一豊が一冊のレシピノートを残しており、そこに金亀食堂のカレーレシピが記されていた。地域貢献活動をする滋賀大学経済学部のサークル enactus(エナクタス)は、一豊のレシピを基に金亀食堂のカレー復刻に取り組み、2年をかけてできたのが、『賢治のカレー』だ。近江牛専門店「千成亭」の協力でレトルトパックとなっている(一箱200グラム・864円)。近江牛がゴロゴロゴロと60グラムも入っている。
 昔、食べたことがあるというわけではない。スパイシーな味に慣れた身体が「明治や大正、昭和初期のカレーはこんな味だったのだろうな」という疑似記憶を生み出している感じだ。懐かしいと感じている。僕は一ヶ月ほど前に、大正末期から昭和初期の「モダンガール」「モダンボーイ」、今風に言えば「イケてる」若者たちが街を闊歩していた時代のカレーだと紹介した。そのカレーが昭和初期の郵便局だった建物を改装した「逓信舎(国の有形登録文化財)」で食べることができるようになった。視覚も懐かしい疑似記憶を生む。
 テレビでは『天皇の料理番』が話題だ。賢治のカレーセットは、現代版にアレンジされていることは否めないが、あの時代の空気に触れることができるかもしれない……。ちょっと出かけてみてはどうだろう。

テイシンカフェ

彦根市河原2丁目3-4 逓信舍1F
土・日営業 11:00〜16:00
TEL: 090-5640-0600

「賢治のカレー」セット(ドリンク付き)1,000円、テイシンブレンド390円、アイスコーヒー 450円、デラックスディンブラ 430円

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

小太郎

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