まち・文化
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2010年7月27日
入江小学校の記憶
米原のプライベート・リゾート「エクシブ琵琶湖」。湖周道路に沿って生垣が植わっている。丁寧にほぼ一直線に刈り込まれているのだが、一部分すっぽり凹んでいるところがある。その時までは気にもしていなかったのに、突然、何故だろう「?」と思った。 道路から見るだけではただの凹みだが、歩いて近づいてみると、凹んだ生垣の奥... 続きを読む
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2010年7月27日
真田幸村の娘の墓
少林禅寺少林禅寺の裏山にある墓地。歴代住職の墓が並ぶ場所に、真田幸村の娘「九品院殿智海妙恵大姉」の墓がある。歴代住職の墓は、山を背景に谷を見下ろすようにあるのだが、真田幸村の娘の墓は、住職の墓と向き合って置かれている。一等の地にあるのだが、山に向かうのは何か理由があるのだろうか……。 真田信繁という戦国武将がいる。大... 続きを読む
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2010年7月20日
平将門の首の続き
前回、『将門の首』の記事を書いた。『関東八州を制圧し、新皇を名乗った将門は東国の英雄であり、斬首されるという非業の死は伝説を生み、怨霊・怨念の系譜へと繋がっていく。伝説は関東を中心に全国に広がり、淡海にも大津市、彦根市、愛荘町に残っているという。彦根市は「平流山(荒神山)」、愛荘町は「のまず(野間津・不飲)の池」「山... 続きを読む
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2010年7月18日
茅の輪くぐりとキューピー
多賀大社の茅の輪くぐり 糸切餅ライターと糸切餅キューピーストラップ 6月末、多賀大社の「夏越の大祓」があった。『知らず知らず身についた罪穢れを祓い清める』神事である。罪穢れを人形代に移し、これを河原に流して清々しい心身によみがえる。そして、茅の輪を三回くぐると健康と長寿がかなうといわれている。 何... 続きを読む
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2010年7月14日
石田三成茶の井とひこねキャンドルナイト
仙琳寺の竹薮の中にある石垣 石田三成が水を汲んだと伝わる井戸 彦根、佐和山の麓に仙琳寺という寺がある。彦根古絵図には佐和山天守から千貫池、蛇谷、御殿跡となぞると、蔵跡があり、現在の仙琳寺の場所は愛岩(宕)山と記されている。彦根藩4代藩主井伊直興(1656〜1717)の庶子本空(幼名千代之介)を開基... 続きを読む
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2010年7月8日
平将門の首
愛荘町石橋の看板 湿気を含んだ空気がじとーと澱む頃になると、人は怪談話を思い出すらしい。淡海妖怪学波にも「妖怪を知りませんか」と問い合わせが入る。恐い話をと期待されるのだが、妖怪の時代というものがあったとするならば、その時代と畏怖の種類が現代とは違うのだから仕方がない。濃い闇が夜を支配し山々の影が一層密度と... 続きを読む
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2010年7月2日
仙琳寺と石田三成
佐和山の麓に仙琳寺というお寺がある。彦根藩4代藩主井伊直興公の庶子本空(幼名千代之介)を開基とする天台宗の古刹である。この寺の恵明権現は、首から上の病にご利益があるといわれている。目が不自由な人が快復したとか、耳が聞こえるようになったとか、逸話には事欠かない。不眠の悩みにも効き目があるそうだ。不思議なのは、仙... 続きを読む
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2010年6月28日
ドクダミと白雪姫
「白雪姫」の別名を持つヤエドクダミ 雨の降り続く季節である。威勢のいい紫陽花の、緑の葉が茂る影でドクダミの花が咲いている。特有の臭気のせいか、世間では嫌われ者のこの花が僕は愛おしい。ドクダミの別名は十薬(じゅうやく)。開花期に刈り取って乾燥したものを煎じて飲む。解毒・利尿作用などいろいろの薬効があるとされ民... 続きを読む
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2010年6月22日
偏愛 カロム盤
改造されて足が付けられたカロム盤 彦根市を中心に湖東・湖北にはカロムという盤上ゲームが受け継がれている。今でこそ、ルールが統一され、日本選手権大会が開催されているが、かつては一つ町が異なればルールも違い、多くのローカルルールの存在が確認されている。DADAの誌面にも過去、カロムに関する連載があり、特殊なロー... 続きを読む
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2010年6月17日
弁財天と宇賀野
琵琶を持つ2臂の弁財天 先日、彦根の大洞弁財天へ行く機会があった。随分と久しぶりだった。歴史的には元禄8年(1695)彦根藩4代藩主井伊直興公の創建である。弁財天は、8本の手に弓、矢、矛などを持つ8臂像で、頭上に宇賀神を戴いている。宇賀神は人頭蛇身で蓮に乗るカタチだというが、実際に確かめたことはなく、この時... 続きを読む
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2010年5月23日
噂の「六」
彦根城玄宮園の石に「数字が刻まれている」と聞いたのは、数年前に遡る。以来、機会があるごとに、数字を探して歩いていた。決して緻密であると言えない探索で、見つかるはずがない。 再び、尋ねると「数字は6」だという。「ロク」という音に、頭の中では「Ⅵ」とイメージした。深い理由は無い。なんとかく「Ⅵ」だったのだ……。見つ... 続きを読む
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2010年5月3日
片桐且元の首塚…?
片桐且元の首塚 JR高月駅の西側、入り組んだ路地の一角に石碑がある。片桐且元の首塚である旨が記されている。歴史好きなら首をかしげるだろう。一般に且元は駿河の国で死去したといわれているからだ。 且元といえば、賤ヶ岳合戦の七本槍のひとりとしてよく知られる人物である。旧浅井町須賀谷に生まれ、幼くして羽柴秀吉に仕... 続きを読む
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2010年5月1日
化粧川
中山道高宮宿を流れる五社川の別名を「化粧川」という。 『久徳城主久徳氏の姫が高宮城主高宮三河守に輿入れの際の持参金ならん持参水であって、昔から水利の悪い高宮での姫の化粧の水に不自由させないための久徳城主の親心から引かれた川だとのいいつたえである。』素敵ないい話だと思った……。しかし、文章には続きがある。 『(... 続きを読む
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2010年4月19日
勧請縄のある風景
高月町森本の弓引きと大綱引き神事湖北で勧請縄(かんじょうなわ)が見られるよと教えてもらい、3月21日冷たい雨の降る日、高月町森本に向かった。 勧請縄は湖南や京都、奈良などに残る風習で、集落の魔よけとして村の出入り口を横切るように縄を吊ったのが由来とされる。現在は集落内の神社に縄がかけられ、1年に一度その縄を付け替えるところが多い。お正月飾... 続きを読む
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2010年4月12日
長刀山から知るまつりのルーツ
神輿+太刀渡り+曳山+子ども歌舞伎=長浜曳山まつり?太刀渡り(長浜市曳山博物館提供) 今年の長浜曳山まつりは長浜市の合併を記念し、全山が長浜御旅所に揃う〈月宮殿(田町組)は修理中のため曳山博物館にて展示〉。そのひとつ長刀山(なぎなたやま)は「太刀渡り」を行い、そこで用いる太刀やのぼりが飾られている。唯一子ども歌舞伎を上演する舞台をもたない山である。長刀山のみ... 続きを読む
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2010年4月7日
湖岸、並ぶペットボトル風車
勢いよくまわるペットボトル風車 琵琶湖を左に見ながら湖岸道路を走っていると、旧びわ町にさしかかった南浜海水浴場の手前、ずらりとペットボトルの風車が並んでいる。かなりの数である。風車は道路の土手とほぼ並行に並んでいて、グラウンドのところどころにもある。畑で作物の被害を防ぐために設置されているあの風車と同じ類の... 続きを読む
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2010年4月5日
秀吉、移住計画
長浜市元浜町 長浜のまちなかを歩いていると、現在とは違う町名が記された石碑があちこちに建っている。その多くが昭和の半ばまで使われていた町名だ。石碑をたどっていると、いくつか見覚えのある町名に出会う。近隣地域と同名のものがあるのだ。 「伊部」や「郡上」は湖北町域にもあるし、「箕浦」は近江町域にもある。実際、か... 続きを読む