茅の輪くぐりとキューピー
6月末、多賀大社の「夏越の大祓」があった。『知らず知らず身についた罪穢れを祓い清める』神事である。罪穢れを人形代に移し、これを河原に流して清々しい心身によみがえる。そして、茅の輪を三回くぐると健康と長寿がかなうといわれている。
何をかくそう健康と長寿とは無縁の生活を送っている僕である。茅の輪をくぐることによって得られるものがあるならば、罪穢れも祓うことができるならば……。
何百年もカタチを変えることなく続く、日本の儀式だ。そしてそれを信じることができる遺伝子を僕らは受け継いでいる。茅の輪をくぐれば、大丈夫だと思うことができるのだ。一からやり直すことが可能だ。
帰り、久しぶりに「多賀や」に寄った。糸切餅の老舗である。お目当てはオリジナルグッズ。多賀やでは以前、「糸切餅耳かき」を手に入れたことがある。コーナーを物色していると、やっぱりありました。「糸切餅ライター」と「糸切餅キューピーストラップ」。多賀やでないと手に入らない。こういうことがあると、いい日だと思う僕はひたすら小市民なのである。
【雲行】