偏愛 カロム盤

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2010年6月22日更新

改造されて足が付けられたカロム盤

 彦根市を中心に湖東・湖北にはカロムという盤上ゲームが受け継がれている。今でこそ、ルールが統一され、日本選手権大会が開催されているが、かつては一つ町が異なればルールも違い、多くのローカルルールの存在が確認されている。DADAの誌面にも過去、カロムに関する連載があり、特殊なローカルルールの紹介もあった。「偏愛 カロム盤」はその続編である。
 実は、告白するが僕はカロムを偏愛している。偏愛だから理由は無い。但し、偏愛だからと言ってカロム盤を抱いて眠るようなことはない。
 ゲームも好きだが、考えるのが面白い。
何故、カロムの玉のパッケージが無いのか?(考えても判らないけど考える。)
何故、あんなに収納に不便なデザインのままなのか?(これも考えても仕方がないけど考える。)
 また、心配もある。
統一ルールができて20年と聞く。ルールが統一されると、ローカルルールが失われることにならないか?(心配なのだ。)
ローカルルールが無くなると、その地域にだけあった、特別技のようなものも失われることにならないか?(消え行く技を受け継がなければならないと使命感に燃えるが、すぐに消える。)

裏には「昭和六年五月求む」と墨書きされていた


 更に、湖東・湖北の古いカロム盤はデザインも独特で、購入年月日や製造年月日が墨書されているものがある。これがどんどん無くなっていく。(どんなカロム盤があったのかを知ったとしても何の得にもならないが、心配なのである。)
 だから、古いカロム盤を譲り受けた時は、本当に嬉しい。遠足の前日くらい嬉しい。カロム盤を眺めて一晩中ビールが飲める。
 2010年6月4日。その嬉しいことがあった。しかも、墨書も明瞭で、「昭和六年五月求む」とあるから、79年前のカロム盤である。足を付けるという改造を施し、随分と愛されたカロム盤だったのである。
 この天盤の形状とサイズは、僕が知る限り、他の大正5年の盤とほぼ同じである。細部は、これから偏愛的検証に入ることになる。

 

編集部

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