伊吹山の麓の小さな文具店

佐々木文具店

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 米原市 2014年11月14日更新

 伊吹山の麓、米原市春照に小さな文具店が開店した。
 お店の名前は「佐々木文具店」。店主の岡田友美さんは、このお店を開く前から、同名の「佐々木文具店」という屋号で、オリジナルの消しゴムはんこや便箋などを作成しイベントに出店しながら活動を続けてきた。友美さんとは、友美さんのご主人でミュージシャンの岡田健太郎さんを通じて知り合った。ゆくゆくはお店を開きたいという話を聞いていたので僕もオープンを心待ちにしていた。ややこしい言い方になるけれど、この度めでたく「佐々木文具店」の実店舗化が実現したというわけだ。
 お店の建物はもともと「野村理容所」という床屋さんだった。二十数年前に閉店してそのままになっていたが、5年前に太鼓踊りを見に訪れた友美さんがこの建物を見て一目惚れし、借りることになったそうだ。決め手となったのは、軒先の郵便ポスト。便箋や葉書を扱う文具店にぴったりだった。

 至る所に床屋さんの面影が残る店内には、佐々木文具店オリジナルの文具や、友美さんがいままでにコレクションしてきた文具などが並んでいる。中でも「びわ湖スタンプ」は、その名の通りびわ湖をかたどったスタンプで、若い女性を中心に人気の商品だ。その他、今後は古道具なども取り揃えていく予定だという。また、店内での喫茶も可能で、もともと備え付けの洗面台だったカウンターをテーブルにして、珈琲や自家製ジュースを味わえる。

 取材にお邪魔した日は、ちょうど祝日ということもあって、たくさんのお客さんで賑わっていた。お客さんの中には、昔、この野村理容所で髪を切ってもらっていたという人もいるそうで、昔話で盛り上がることもあるのだという。例えば、小さい頃に散髪に連れて来られるのが嫌で、でも隣に駄菓子屋さんがあってそこでお菓子を買ってもらえるのが楽しみだったとか……。そうやってこの土地と建物にまつわるエピソードを掘り起こしていくのも楽しみのひとつだという友美さん。「近所の人が気軽に立ち寄れる場所になれば」と話す。今後、健太郎さんのライブなども開催予定だということだ。
 古い宿場町の床屋さんを改装した郵便ポストのある小さな文具店。この建物は、いままでの物語を下敷にして、また新しい物語を生んでいくのだろうな。そんなことを思った。

佐々木文具店

滋賀県米原市春照469 TEL: 080-1506-1580
営業 日・月曜日(不定休あり) 11:00〜17:00(冬期16:00)

Facebookページブログ

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

はじめ

スポンサーリンク
関連キーワード