楽しいご飯の時間

Ku-’sキッチン 蓮溪邦枝さん

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 長浜市 2015年2月9日更新

 1日3回、きちんとご飯を食べる。それは子どもの頃母親にしつけられたことであり、母親は毎日、台所で忙しく立ち働いていた。今では自分で台所に立つし、自分で選んだものを食べるようになったけれど、好きなものを好きに食べられるうれしさと裏腹に、つまらないな、と思うこともある。何が出てくるのかなと思うこともないし、単調にもなる。
 ご飯はやっぱり楽しみなこと。そんな気持ちを思い出したのは、蓮溪邦枝さんの料理教室「Ku-‘sキッチン」に行ったときだ。
 「ちょっと気取ってみましょう」と蓮溪さんは言う。難しい調理や面倒なことはしていないけれど、ソースをおしゃれに散らしたり、小さなガラスの器にスープを盛ったり。どの品にも、蓮溪さんのひらめきや、発明のようなものがある。

 「料理教室」と言っても、自分が作る料理実習ではない。蓮溪さんが、調理の際のコツや他愛ないお話もしながら手際よく料理を作り上げていくのを見ながら、集まった皆でお話する。そうして料理が完成する頃には、そこで初めて会った人同士も話が弾むようになってきて、わいわいと食卓を囲む。テーブルを飾る花やクロスも鮮やかで、心が高まる。作ってもらう楽しみはもちろん、自分もこうして食事を楽しもう、という気持ちになる。
 蓮溪さんは、千葉県出身。20年ほど前に長浜市湖北町へお嫁に来た。お母さんもお祖母さんも画家で、自身も子どもの頃から絵が好きだった。大学時代は染織を学び、お嫁に来る時には、染織の材料になるどんぐりや松ぼっくりをたくさん持ってきた。けれども、なかなか自分のことを楽しむ余裕はなかったという。「家事も好きだし、子育ては、本当に楽しませてもらいました。でも、10年ほど経って、自分らしくない、息ができてないと思うようになったんです」。
 自分に何ができるだろう、と思っていた頃、家族のために作り、撮りためてきた毎日の料理の写真を友人に見せる機会があった。それから友人の家で料理をして提供したりするようになったことをきっかけに、Ku-‘sキッチンのスタイルが生まれた。

 「私は料理の先生じゃないの」という言葉が印象的だった。調理師免許を持っていないことが気になったこともあるという。もちろん技術は向上させたい。でも、料理を通じて「表現」をしたいんだと気付いてから、それならば、もっと芸術に触れたり、外国に行ったりして自分の感性を磨こうと思うようになったという。
 「夢は、日本とドイツを行き来しながら仕事すること。漠然としてるでしょ。でも、こうなりたいなと空想していたことが、この何年かで叶うようになってきたんです。向こうからやってくるチャンスに対応できるように、準備していたい」そう話す蓮溪さんは、今度、お母さんの個展の手伝いでパリへ行くという。「日本のお弁当文化が注目されているらしいので、パリでお会いする皆さんに紹介してこようと思っています」。Ku-‘sキッチンが海を越える日が近いのかもしれない。きっと、もっとたくさんのひらめきも生まれる。

写真提供:林とも子

Ku-’sキッチン

サイエンスホーム長浜展示場(滋賀県長浜市宮司町1058-1)にて不定期で開催。
次回は「春野菜」をテーマに、4月中旬ころ、数回開催を予定。
定員:1回6人
TEL.090-7344-5779(蓮溪邦枝さん)

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

はま

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