半月舎だより 12

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2017年9月7日更新

ウモレボン市で俳句募集

 毎年秋に開いている一箱古本市「ウモレボン市」は、店を始めた年に始めて、今年で7回目になる。(ここでは以前に何度も書いているのでくどいと思われるかもしれないが、一箱古本市とは、不要になった本を持ち寄って開く本のフリーマーケット。9月16日の開催に向けて、現在出店者募集中)夏ころになると、ウモレボン市のマスコットキャラクター「ワサンボン」が印刷されたチラシを大量に刷り、親しくさせてもらっているひとから疎遠になっているお店まで、いろいろな場所にチラシを送る。開催日まで一ヶ月にもなると、二人の舎員はそわそわし始め、当日が近づくにつれ、看板や飾りつけ、出店さんに配る缶バッジなどをつくったり、いよいよ準備に余念がなくなる。手探りで始めたこの催しは少しずつ大きくなり、気づけば半月舎の一番大きな年中行事となっている。
 ところで、ウモレボン市の名前は、幕末の彦根藩主・井伊直弼公が不遇の青年期を過ごした「埋木舎」に由来している。彦根らしい場所で開催したいと当時仲間たちでいくつかあげていた場所のなかで、「埋木舎」の前の小道がいちばんの候補地だった。彦根城の堀端を臨む木陰が落ちる道、直弼公が「世の中をよそに見つつも埋木の埋れておらむ心なき身は」と詠みながら文武の修行に励んだという埋木舎の前で、家に埋もれた本を持ち寄って開く古本市。「埋もれ木に一を足したら『埋もれ本』だね」と誰ともなく言い出し、場所よりも先に「ウモレボン市」という名前が決まった。諸事情によって場所は変わったが、ここ数年は、埋木舎の近くの護国神社で開催させてもらうことで落ち着いている。
 直弼公が詠んだのは短歌だが、今年のウモレボン市では俳句を募集している。毎年やっているうちに欲が出てきて、本を売り買いするだけでなく、参加してくれるひとたちの気持ちも聞きたくなってきたのだった。店の常連のおじいさんには「俳句なんてものは文学をやり尽くしたような人が最後にすることですよ」と言われてしまい、そういう認識の人もいるかもと思ったが、もっと気楽に素朴に楽しめたらと思っている。芭蕉のような帽子を頭にのせて、ワサンボンも待っている。

編集部

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