信号機、アームの意味

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 長浜市 2016年3月2日更新

 故あって、DADAジャーナルの過去の記事を読み返していた。今号で629号、どうしようもない記事や、ぎゃーっと叫びそうになる記事も多いが、中にはなかなか面白い記事もある。筆力の問題ではなく、他の媒体ではあまり掲載されないようなものがあるのが、いいなあと思う(勿論、手前味噌だが)。
 例えば、長浜曳山祭りの頃に掲載した「まつりが動かす信号機」(青緑記)。要約するとこんな具合だ。

 「4月14日、山蔵から長浜八幡宮まで曳山が移動する「のぼり山」が始まる。道幅が狭かったり、商店が軒を連ねるまちなかでは、幅も高さもある曳山の移動はたいへんな作業だ。まつり関連の資料には、曳山の舞台上から棒のようなもので電線をよけている写真なども見られる。
 電線はよけられるが、ふつうならよけられないのが信号機。しかし曳山の通り道では、少し事情が違う。信号を取り付けた「アーム」と呼ばれる部分をふって、信号機によけてもらうのだ。(中略)
 長浜警察署の交通課によると、アームが交差点の中央まで張り出したタイプの信号機は、狭い交差点のため四方に信号機を設置できない場合などに設けられるものだという。だから、形そのものが特別なものというわけではない。しかしまつりのためにアームをふるというのは、そうないことだとか。まつりがそれほど大きな存在として、地域のなかで認められているといえるであろう。(中略)
 ところでその動かし方。専用のボタンを押せば自動的に動くというわけではなく、警察の指導のもとの手仕事なのである。アームと支柱部分のネジをゆるめた状態でロープをかけ、曳山が通過するそのときだけ人力でアームをふり、通り過ぎればまたすぐに戻すそうだ。(中略)
 余談だが、御旅所東側の信号機は、縦型で四方の信号が一体になっている。縦型は積雪対策のためで湖北地域ではよく見かけるが、四方一体型は、赤もしくは黄の1灯が点滅するタイプが一般的。この信号機は3色揃った3灯式。そのうえアームが動くとなれば、一見の価値がある(後略)」。

 信号のアームをふり、曳山を通すことを知らなくとも、人生、何も変わらないが、僕はそういう記事が好みなのだと改めて思った。

 

雲行

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