今年も シャグマが揺れる

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 長浜市 余呉町 2012年8月13日更新

 長浜市余呉町下余呉太鼓踊り(滋賀県選択無形民俗文化財)の奉納が、8月19日(日)に行われる。 太鼓踊りは、明治時代、京都の東本願寺再建の際、『能登から原木を髪でなった縄で引っ張ってきた人足の疲れを癒すために、太鼓踊りを踊った』(初出『滋賀県湖北昔話集』)のが由来とされ、乎彌(おみ)神社の夏季祭礼として200年以上前から受け継がれているという。
 太鼓踊りは、大太鼓、小太鼓、鉦(かね)で構成され、横笛や唄、拍子をとるタンバリンは下余呉の小中学生の男女が分担する。花形は小太鼓で、踊りが成立するには、小学4~6年生の男子最低5名を必要とする。6年振りに小太鼓の担い手の数がそろった昨年だったが、空模様が怪しく、乎彌神社境内で奉納されるはずの太鼓踊りは、余呉体育館で行われた。
 僕は『緑に包まれた境内で揺れる「シャグマ」を見たい』と文章を書いた。『マレビトの勝手な願いである』とも。「シャグマ」は、昔は烏の羽を飾ったという小太鼓の冠だ(現在は祭礼用に作ったもの)。
 先日「今年も太鼓踊りがあります」と友人から連絡があった。乎彌神社の境内が想い浮かんだ。「みちゆき」「ぎおんばやし」「五つさがり」などの節に合わせた踊りが、余呉の空気のなかで行われる。「月さやか、野路の玉川はぎ越えて……」、緩やかな唄拍子に「シャグマ」が揺れる。ただ、友人は「来年はできないかもしれない。当分、できないかも……」と付け加えた。小太鼓の担い手が来年からはそろわなくなるのだ。「そろわないなら、3年生でも中学1年生でもいいのではないか」と考えない。オコナイや祭礼に対する心構えが違うのだ。
 下余呉の子どもたちは、夏休みに入り、毎夜、練習に励む。祭礼を担う彼ら彼女らの夏は、ハレの舞台のためにある。
 僕は「余呉へ行きますね」と言った。晴れて欲しいと思う。僕は、余呉の風景のなかでシャグマが揺れるのを見たいだけとお気楽を決め込んでいる……。

写真は2011年8月21日撮影

下余呉太鼓踊り

開催日: 2012年8月19日(日)13:00~
場所: 乎彌神社(余呉町下余呉)

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

小太郎

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