柿渋ワークショップ

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2012年7月25日更新

 日本の伝統塗料の一つに“柿渋”がある。歴史は古く、布や和紙、竹、木などあらゆるものに用いられていたが、化学染料や化学塗料などにとって変わられ、姿を消して行った。「あー、知っている」と記憶をよみがえらせて頂けるとしたら、番傘だろうか? 和紙や竹製の柄、骨に柿渋を塗ると、紙は防水性や強度が高まり、防腐や防虫、抗菌効果も得られた。柿渋を塗った身近なものにはうちわや竹籠、柳行李などもあった。火傷の際の民間薬として用いられてもいたそうだ。
 化学染料や化学塗料、化学調味料など化学を冠に持つモノは、安価で使い勝手が良く、入手も簡単など広く普及しているが、人体への思いがけない影響があったりすることもある。その点、柿渋は柿の果実からできており、有害物質を一切含まない。人体に吸入、摂取、接触しても非常に安全で安心な染料であり塗料なのだ。
 7月29日(日)、彦根市内で冨山敬代(株式会社トミヤマ代表取締役)さんをお迎えし、「柿渋に染まろう」と題したワークショップが開かれる。柿渋の魅力を伝え、参加者に綿ストールの染色を体験してもらおうという内容だ。現在、国内で柿渋を作る会社は数社だが、株式会社トミヤマはその一つ(京都府相楽郡南山城村)だ。
 薬学が専門の冨山さんは、「柿渋は色々な物を吸着する性質があります。柿渋タンニンの分子構造はとても複雑で、色々な電子を捕まえる腕がいっぱい出ていると考えるとわかりやすいですね」と話す。

柿渋を使って染めた綿ストール(写真はイメージ)

 冨山さんを彦根のワークショップに招いたのは、「ムクモク会」の大工さん達だ。株式会社トミヤマの事務所を訪れた時、空気の清浄感に圧倒されたそうだ。事務所の床、壁、天井の板全てに柿渋が塗ってあったのだ。シックハウスの原因ホルムアルデヒドを吸着し無害化するため、様々なアレルギーに悩む人に最適の材料ということになる。
 大工さんの一人は、柿渋で染めたスカーフを首に巻くと、長年苦しめられた花粉症の症状が軽くなったことに気づいたそうだ。更に、木綿の靴下を自分で染めて愛用、足の臭いも気にならなくなったと笑っている。
 色々良いことずくめの柿渋は製法も意外と単純である。生の青い柿をつぶして発酵させる。そしてそれを三年ほど寝かせて熟成する。ほとんどエネルギーを使わないので、とてもエコである。
 ところで、柿渋には特有の臭いが有り、それも私たちが柿渋を遠ざけた原因の一つだが、現在では無臭の柿渋も開発されているそうだ。百聞は一見にしかず、まずは綿ストールの染色を体験したい。

柿渋に染まろう

日時: 2012年7月29日 10:00〜17:00
場所: 彦根TOTOショールーム(滋賀県彦根市西沼波町50)

ムクモク会のイベントのお問い合せ TEL: 090-3823-7857

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

光流

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