渾身の煮干ソバ

煮干中華ソバ 麺屋ぶらいじ

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 長浜市 2013年7月5日更新

 「麺屋ぶらいじ」は、長浜駅前通りから長浜楽市のほうに少し入ったところにあるラーメン店だ。
 昨年の5月にオープンした。近くを通る度に気になっていて、もう随分と経つように思っていたけれど1年と聞いて意外だった。そのくらいとにかく気になっていたお店なのだ。
 店主の森田豊和さんは、もともと大工だったと聞いてさらに驚いた。森田さんのお父さんも大工で親子2代で10年ほど大工をしていたそうだ。数年前に長浜市内の屋台のラーメン屋を手伝うようになってから、ラーメンへの情熱が開花した。屋台でラーメンのいろはを習得、さらに独学で研究を重ね、自分の店を持つに至った。

店主の森田豊和さん

 ぶらいじのラーメンは、煮干を使った魚介系のスープが特徴だ。実は3月に、それまで豚骨メインだったスープを煮干メインに全面リニューアルしたのだそうだ。
 一番のおすすめは、「煮干ソバ(醤油)」。片口鰯や鯵、秋刀魚の煮干に鰹、鯖などの削り節と北海道産の昆布からとった贅沢な出汁に鶏白湯を合わせた上品なスープに、歯ごたえのある加水率低めの中太麺の組み合わせが絶妙だ。麺は京都のカリスマ製麺所とも言われる「麺屋 棣鄂(ていがく)」のものを使用している。森田さんが煮干スープに合うように選びに選んだ一押しの麺だ。僕も低加水のものが好みなのでこの麺をすっかり気に入ってしまった。トッピングには、厚めでほろほろのチャーシューと、大きなメンマ、葱と刻み玉葱、そして煮干魚粉が添えられている。出汁の効いたスープにさらに魚粉を崩しながら煮干の味を十分に楽しむことができる。
 煮干ソバの他に気になるのが「淡麗中華ソバ」。煮干に鶏清湯を合わせた透き通ったスープにツルツル・モチモチの食感の麺が特徴だそうだ。

煮干ソバ(醤油)

 森田さんになぜ煮干なのかと訊ねたら「ラーメンに限らず、たぶん出汁が好きなんだと思います」という答えが返ってきた。長時間ことことと煮込んでいく豚骨も好きだけれど、日本の味の原点「出汁」の深い世界に魅了されたのだという。「滋賀県で煮干といえば『ぶらいじ』と言ってもらえるような店にしたい」という。
 ところで、店名の「ぶらいじ」は、森田さんが好きなR&Bシンガーのメアリー・J. ブライジに由来するそうだ。てっきり漢字で何か意味があるのかと思っていたけれど、これも意外だった。でも肩の力が抜けた感じがいい。もちろん肝心のラーメンのほうは力作、渾身の煮干ソバなのでぜひご賞味あれ。

煮干中華ソバ  麺屋ぶらいじ

滋賀県長浜市八幡東町250-3 / TEL: 090-8930-8323
営業時間 11:30〜14:00・18:00〜22:00

煮干ソバ(醤油・塩)750円、淡麗中華ソバ(醤油・塩)700円、ぶた飯 350円、餃子 300円、唐揚 400円
ラーメンにプラス250円で餃子セット、唐揚セットも

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

編集部

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