ありそうで、どこにもない味

めん屋 樹

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2012年9月5日更新

白と黒をモチーフにした店内

 「めん屋 樹」の鯰江智一さんと出会ったのは今年の3月、東日本大震災の追悼イベントでのことだ。ちょっと怖そうな出で立ちとは裏腹に、物腰の柔らかさが印象的だった。「彦根ラーメングランプリ」の仕掛け人の一人であり、僕がこうしてラーメンに夢中になったきっかけをつくった人といっても過言ではない。
 鯰江さんは、中華料理店で7年修業したのち、アルミ溶接やクレーンオペレーター、営業マンなど様々な仕事を転々とし、やはり自分には飲食業が向いているのではないかと思ったそうだ。そして、最後にたどり着いたのがラーメンだった。県内の有名ラーメン店で修業したのち、昨年1月、彦根に「めん屋 樹」をオープンした。黒と白をモチーフにした店内は、一般的に想像するいわゆる「ラーメン屋」とはかけ離れていて、小洒落たカフェやバーのような雰囲気だ。

代表の鯰江さん(右)と店長の三品さん

 めん屋 樹のラーメンを一言で表すと「ありそうでどこにもない味」。樹(しょう油)・樹ホワイト(塩)・樹レッド(味噌)、それぞれ独特のスープに加水率やや高めの玉子麺の組み合わせは、今まで食べたどんなラーメンとも違う不思議な世界観をつくり出している。
 なかでも一押しの「樹(しょう油)特濃」は、20〜30時間煮込んだ豚骨スープに鶏ガラスープを合わせ、さらに数種類の野菜によるとろみが特徴だ。醤油ダレは1週間寝かせてしっかり熟成させたものを使用している。
「特濃」という名前の通りどろりとしたスープはちぢれ麺との相性がいい。麺はちぢれの他にも、細麺・中太ストレート・太麺から選ぶことができる。チャーシューは厚切りバラ肉で食べごたえ抜群。トッピングのネギは熟成醤油と胡麻油で下味がつけられており、味のアクセントになっている。中華料理出身の鯰江さんならではの発想だ。

おすすめの「樹(しょう油)特濃」

 「ラーメンにルールはないので、好きなものを自由につくることができるのが魅力」と語る鯰江さん。月替わりの限定メニューで様々な新しいラーメンにも挑戦している。これまでに、カルボナーララーメンやピザラーメンなど一風変わった人気メニューも生み出してきた。定番メニューも少しずつ改良され進化を続けている。
 鯰江さんと出会った当初、「樹」というのはてっきり鯰江さんの下の名前からとったものだと思い込んでいたのだけど、そうではなかった。「樹」という名前には、彦根に根を張り、滋賀県に幹を伸ばし、そして枝葉で日本全国を覆う大きな木のように成長したいという想いが込められているのだそうだ。
「どこにもない味」の樹のラーメンがいつか大きな木に育つ日を楽しみにしている。

めん屋  樹

滋賀県彦根市平田町511-102 / TEL: 090-7488-7782
営業時間 平日 11:00〜14:30・18:00〜23:00 / 土日祝 11:00〜15:00・18:00〜23:00
定休日 火曜日

ラーメンは、樹(しょう油)680円、樹ホワイト(塩)680円、樹レッド(みそ)780円、他につけ麺なども。しょう油はあっさりと特濃が選べる。ラーメンにプラス120円でラーメンライス定食、プラス200円でチャーハン定食も。

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

編集部

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