「思い出の味」を目指して
六本木家
彦根市後三条町の六本木家(ろっぽんぎ・ハウス)は、第2回・第3回ラーメングランプリを連覇した人気のラーメン店だ。
店主の柏原成人さん(44歳)のラーメンキャリアは長い。23歳で屋台のラーメン店を開き、以来20年以上ラーメンに関わり続けてきた。屋台の時代が長かったが、2009年12月に今の場所に店をオープンして現在に至る。
焼き鳥店を改装した店内は、狭いながらもラーメン通好きの気分を盛り上げてくれる風情がある。
おすすめの「超濃厚限界こってりラーメン」は、名前の通り濃度も限界、味も限界、これ以上おいしくできないという六本木家の自信作だ。豚骨に野菜のとろみを加えて限界まで濃度を高めたスープに加水率高めの中細麺がよく絡む。見るからに濃いどろどろのスープなのにくどくないのは、いわゆる「ベジポタ(ベジタブル・ポタージュ)系」で野菜のとろみを活かしているからだ。濃厚なのにさっぱり。見た目とは裏腹に、最後の一滴まで飲み干せる。具材はチャーシュー、メンマ、キクラゲ、葱とオーソドックス。チャーシューは長年にわたって継ぎ足してきたタレを使用しているそうだ。
メニューは定番の中華そばやちゃんぽんの他に、トマトラーメンなどの一風変わったものも用意している。
「若い人からお年寄りまで幅広くみんなに愛されるラーメンをつくりたい」という柏原さん。変わったメニューにも挑戦するけれど、本流のラーメンはオーソドックス、スタンダードなものでありたいと考えている。
「小さい頃に食べた『思い出の味』ってあると思うんです。例えば『ロイヤルのチキンカツ』とか『ふじ食堂のハンバーグ』のようなみんなの記憶に残る味。六本木家のラーメンもそういう『思い出の味』になれたらと思っています」。
奇をてらわずスタンダードに。「思い出の味」の基本は、いつの時代も変わらない。
六本木家
彦根市彦根市後三条町263-5
営業時間 11:30〜14:00 / 18:00〜25:00
定休日 水曜日
超濃厚限界こってりラーメン 750円、中華そば 600円、ちゃんぽん 680円、トマトラーメン 830円など。各ラーメンにプラス300円で唐揚げ丼ミニやチャーシュー丼ミニ、プラス350円でしっとりまぜチャーハンも。
店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。
【編集部】