波うさぎを求めて——石馬寺

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 東近江市 2013年11月29日更新

 僕は、波間を跳ぶうさぎのキュートな文様に魅せられコレクションしている。この文様の別名は「竹生島文様」という。「波うさぎ」「波にうさぎ」「波のりうさぎ」などの呼び方もある。
 謡曲『竹生島』に次のような一節がある。「緑樹影沈んで 魚木に登る気色あり 月海上に浮かんでは 兎も波を奔(はし)るか 面白の島の景色や」(「奔る」は勢いよく動き回ること)。
 神秘的で美しい情景だ。家紋や焼き物の図柄で親しまれている日本の伝統的文様「波うさぎ」は、謡曲『竹生島』に由来し、淡海発祥の文様だと僕は今も信じて疑わない。そして僕は、湖東湖北に存在する竹生島文様を、探し求めている。
 前回は7月、近江八幡市日牟禮八幡宮と長浜市谷口町三輪神社のそれを紹介した。今回は東近江市五個荘町の石馬寺。参道登り口前にある神輿蔵だろうか、白壁に籠手絵が描かれている。
 波の表現が独特で他のどの文様より繊細に思える。うさぎはふくよかでかわいい。前を向くうさぎと振り返るうさぎの対になっているのもこの文様の特徴だ。
 石馬寺は、聖徳太子縁の寺で、太子の馬が石と化して沼に沈んだことから石馬寺(いしばじ)と号したといわれている。聖徳太子直筆『石馬寺』の三文字の木額、太子が馬をつないだ松の樹、石化した馬は参道の石段下の蓮池に現存している。以前はそうでもなかったが、RPGなどゲームの影響で「石化」という言葉には新しいイメージがある。石化した馬の回復呪文はあるのだろうか?気になっている。
 波うさぎは石化した馬と参道をはさんだ向かい側にある。紅葉も名残の頃になるだろうか、亡者の辻を越えて石馬寺にゆっくり訪れたいと思っている。

小太郎

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