Monologue

  • 2009年12月13日

    Monologue No.480

    何をして遊ぼうか。誰もいなくなった校庭、冬、夕暮れ……。やっぱ鉄棒で、逆上がりかな。 鉄棒を握った時の冷たい感覚が蘇る 鉄棒は校庭の端っこにある だから鉄棒の影は冬が一番美しい あの逆上がりときたら 人もシルエットだ 続きを読む

  • 2009年11月22日

    Monologue No.479

    昼の時間が随分と短くなって、明るい場所へ誘われるのは夜目がきかないせいだろうか。 時間がない どれくらいの時間が残されているのだろう 夜目のきかないまま 進化を怠った顛末 僕は、猫に嫌われたままだ 続きを読む

  • 2009年11月8日

    Monologue No.478

    だんだんと話は何処から始まったのかわからなくなってくる。 小さなため息を ひとつ…… そもそも、話は何処から始まったのかわからない そもそも、話も始まっていないのかもしれない もともと無かったのか ひょっとしたら終わってたのか 小さな挑戦を知る人は少ない 続きを読む

  • 2009年10月25日

    Monologue No.477

    午前8時、朝露の大地を踏みしめ、今日一日の仕事らしいものに出かける。 世界がこんなにも美しいのだと知るとき きっと とても哀しく 寂しいのだ 続きを読む

  • 2009年10月11日

    Monologue No.476

    蕎麦の花咲く畑でしゃがんだら、動けなくなった。 収穫を司る神様は 昔とかわらず頑張っていたり 頑張る必要がなくなったり 田畑にしゃがむと小さな宇宙とであうことがあって 結局、随分遅刻する 続きを読む

  • 2009年9月27日

    Monologue No.475

    キノコの季節、レンズごしの森や林は海のよう・・・・・。 埋もれた地中の話を僕らは知らない わざわざ知ることもないと 誰かが判断したのだろう ただ、地上に現れるこの世界は海のよう…… 海のことも知らされていないのに 続きを読む

  • 2009年9月13日

    Monologue No.474

    秋はクッツキムシが多いのかもしれない。クッツイて何処までもいく。 ミンミン蝉の鳴く林を抜けると ススキ野原があった しばらくすると夕暮れには金色に 月の夜には銀色に…… ヤマネコはと考えたりするに決まっている 続きを読む

  • 2009年8月23日

    Monologue No.473

    細い月が空に張り付いていた。季節も時間も過ぎていったようだ。涼しくなっていた。 狙い通りにピンポイントで痛い 季節が通り過ぎる時によくある話 それこそ猫の爪のようだ 続きを読む

  • 2009年8月9日

    Monologue No.472

    いきなり夏になった。カンナの赤は瞬時に胸が痛む。ヒマワリは遅効性だろう……。 昆虫採集は、虫たちがまだ眠っている 早朝がいい 陽が昇る前、涼しい間に デスクワークをかたづけてしまうのがいい 夏は、いろいろ迷うコトが多い 続きを読む

  • 2009年7月26日

    Monologue No.471

    強気な日差しに挑んだ後も、気怠い午後も、トマトの影で眠りたい。 トマトの影ではココロが痛む 影をつたって歩く真夏の始まり 続きを読む

  • 2009年7月12日

    Monologue No.470

    愉快なことと、あまり愉快じゃないことを、どんなふうに区別しているのだろう。 全ては夏に向かって全速力で走っている 走ってないと心配? 話していないと不安? 笑っていないと? 夏に向かっているだけではだめ? 黙って立っていても日々は容赦などしない アツイだろうなぁ 今年も 続きを読む

  • 2009年6月28日

    Monologue No.469

    梅雨の晴れ間、露路のドクダミが清楚で美しい・・・・・・。 大量の雨が降ると 日本列島上の天気図よりも 読めない漢字の何とかという名前の神様が 薄笑いしている姿が目に浮かぶ 今年は、こんなもんかなと…… 続きを読む

  • 2009年6月14日

    Monologue No.468

    少し見ない間に、緑の濃度が深くなって去年に近づいていく。 緑の中に虫がいた 図鑑ならページをめくれば判るのに インターネットではキーワードが思いつかない ヨコヅナサシガメというらしい カメムシなんだって 続きを読む

  • 2009年5月24日

    Monologue No.467

    天日でこんがりローストされた大型猫じゃらしが風にゆれている。 世界は少し見ない間に変貌する あまりにも鮮やかで 片方の眉、大抵は右を少し上げ、目を細め そのまま通り過ぎる まだまだ…、誉めるには早い 続きを読む

  • 2009年5月10日

    Monologue No.466

    柔らかな・・・・・・と思った雨が降っていた。 暖かな季節の雨はいい 綿毛にも雨は落ち 音を聴く余裕 濡れるというアドバンテージ 続きを読む

  • 2009年4月26日

    Monologue No.465

    今頃降る雨を穀雨というらしい。穀物の実りを約束する柔らかな雨である。 夜が明けると山々は モコモコと姿を現す頃 日差しが眩しくて 照れる 雨が優しくて 斜めにかまえる なんとも 贅沢な話である 続きを読む

  • 2009年4月12日

    Monologue No.464

    果たしていない約束、サクラが咲いたら… 今年もまたサクラが咲いた ずっとここにいて、ずっと変わらない 来年もまた サクラが散るころ出かけよう 続きを読む