「こまめ」な天然酵母パン

Komame

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 米原市 2013年5月31日更新

 Komameさんの焼く「グレイン・セザム」が好きだ。ライ麦酵母の生地にもちあわやもちきびなど7種の雑穀とクルミ、レーズンが練り込まれていて、表面にはゴマがたっぷりまぶされている。ゆっくり噛むといろんな味がして、1切れで身も心も満たされるのだ。
 伊吹山が一望できる場所に、天然酵母のパン工房Komameさんがオープンしたのは先月のはじめ。店内には店主の伊富貴真紀さんが丹精込めて育てた酵母と選び抜いた素材、そして季節の素材を使ったパンが15~20種並んでいる。
 何かを黙々と作るのが好きな性格だそうで、仕事の傍ら趣味でパンを色々試作していた伊富貴さん。その内知り合いに頼まれアレルギーのある子どもでも食べれるパンを作ったところ口コミでその評判が広まり、周りに後押しされる形でKomameが誕生した。

店主の伊富貴真紀さん

 実際にパン工房をオープンするにあたり、酵母の見極めに自信を持ちたいと兵庫県にある天然酵母のパン屋に1年間修業に通ったそうだ。店に並ぶパンは酒種やレーズン酵母、ライ麦酵母などをパンそれぞれの性格に合わせて使い分けている。そのほかの素材も国産の小麦粉やライ麦粉、湖北町産の無農薬栽培小麦を自家製粉したもの、種子島のさとうきび糖などと徹底したこだわり。
「粉を重視したパンなので、生地を味わって欲しいですね」と伊富貴さん。「身体にやさしいことはもちろん、楽しんで食べてもらえるように」と季節に合わせてバラエティー豊かなパンを並べている。
 店舗はかわいいログハウス。実はご主人のお手製なのだそうだ。店を始める時「好きなことをやったらいい」と後押ししてくれたのもご主人。仕事の傍ら日曜大工ならぬ毎晩大工で半年かけて建てたそうだが、実は現在も進化中。将来石窯でパンを焼く時用のスペースも準備中とのことなので、進化する店舗をチェックするのも楽しい。
 また、彦根でもKomameのパンを味わえる場所がある。それは伊富貴さんの友人が営む彦根港に面したkanariaというカフェ。「天然酵母パンのトースト」(450円)を注文すれば、サラダや自家製ピクルスともに天然酵母パンが味わえるので、こちらもぜひ一度訪れてみて欲しい。

 後になってしまったが、店名の由来は、「こまめに働くこと」とあんぱんに使う「小豆」を掛けてとのこと。
「最近では地元のおばあちゃんが農作業の格好で買いに来てくれたり、子どもたちが自転車で買いに来てくれたりするんですよ。それがほんとに嬉しくて。自分の焼いたパンを味わってくれる人たちのために手を抜かないパン作りを続けていきたいですね」と笑顔で語ってくれた。
 夏に向けてブルーベリーを使ったあっさりとした口あたりのパンやフォカッチャなどが続々と登場とのこと。最近では午前中で売り切れることもしばしばとのことなので、ぜひ早めの来店をオススメする。

Komame

滋賀県米原市伊吹418-3 / TEL: 050-7000-8610
営業時間 10:00〜 (売り切れ次第終了)
営業日 木、金、第1・3土曜日

ブルーベリーとクルミのパン250円、酒種あんぱん150円、セーグル・ノア・レザン(ライ麦生地にクルミとレーズンが入ったパン)200円、クルミ入りバゲット450円、クルイチ棒(クルミ入りのバゲット生地の中に赤ワインで煮たイチジク入り)300円、チーズクッペ(フランスパン生地の中と上にチーズ)220円

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

れん

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