2011 江遠望
新年を小谷寺で迎える
来年1月9日から大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」が始まる。主人公の江は、北近江の武将浅井長政と織田信長の妹・市の三女で、姉の茶々・初とあわせて浅井三姉妹と呼ばれてきた。
浅井氏の居城・小谷城は、三姉妹の生まれた場所で、ドラマでは現地ロケも行われた。その登山口近くにあるのが小谷寺だ。小谷寺は元を常勝寺といい、約1300年前に小谷山の山上に開かれたと伝わっている。長政の祖父・亮政(すけまさ)が小谷城を築く時にふもとに降り、寺名を改め浅井氏の祈願寺となったとされている。市は幼い子どもたちを連れてたびたび詣でただろう……地元ではそんな風に言い伝えられてきたが、残念ながら浅井家や三姉妹との関わりを伝えるものは遺されていない。信長の小谷城攻撃により寺も焼き討ちに遭い、ことごとく焼失したのだ。
浅井家の滅亡後、秀吉は信長から北近江三郡を与えられ、一時小谷城を居城としている。寺を現在地で再建し、手厚く保護したのは秀吉だったことが寺に残る文書からわかっている。「お市の方が、再建を秀吉に訴えたのではないかとも想像できます」と、ある檀家の方は推測している。
大晦日、小谷寺では、大河ドラマ放映にあわせて1月15日から長浜市内各所で開催される「江・浅井三姉妹博覧会」開催の成功祈願を兼ねた法要が行われ、その後、除夜の鐘をつくセレモニーが予定されている。希望者は誰でも鐘をつくことができるそうだ。
2011年、湖北地域は「江」一色に染まっていくだろう。誌面でも江を追いかけてゆく。タイトルは「江遠望」。現代に残る江縁の地を廻り、歴史を遠望する手がかりとしたい。小谷寺の除夜の鐘の音色に江を想うことができるだろうか……。
真言豊山派 如意輪山小谷寺
滋賀県長浜市湖北町伊部329 / TEL: 0749-78-0257
境内の拝観は自由。開帳は毎年11月中旬のみ(開帳時の拝観料 500円)
12月31日午後10時半〜法要、
午後11時すぎ〜除夜の鐘のつき始め
寺と参道などのライトアップ・ゆるキャラなどによるステージ披露、来場者への振舞い(甘酒や温かいもの)や抽選会なども開催。
イベントについての問い合わせ
湖北町商工会館 TEL: 0749-78-2121(12月28日まで)
店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。
【いと】