会いに行く桜レポート 1
綾小路きみまろライブ
彦根で一番気持ちのいい日。それは4月10日なのだそうだ。
なぜ、彦根で一番気持ちのいい日なのか……。それは彦根城の桜が満開となる確率が高い日だからだそうだ。今年も、まるで申し合わせていたかのように、予定通りに満開となった。
この日、現在日本でもっともチケット入手が困難なお笑いタレント・綾小路きみまろさんの「爆笑スーパーライブ」がひこね市文化プラザで行われていた。読売旅行彦根営業所の企画である。地元の人をはじめ、近畿地方とその周辺からバスツアーで幅広い世代の約1500人が集まった。
「彦根城の桜が満開の日に、きみまろさんのライブを地元で楽しんでほしい」という企画は大成功である。早い人は開場の2時間前から並んでいたそうだ。開演を待ちきれない雰囲気がホールに溢れていた。かくいう僕も、事前に主催者から「10秒に1回は笑えますよ」と聞いていたので、かなりワクワクしていた。
緞帳が上がると、あとはネタのオンパレード。10秒に1回どころの話ではない。笑いのない瞬間がない。きみまろさんは身近にありそうでなさそうな、中高年の悲喜交々をマシンガンのような毒舌で綴っていく。ライブならではの臨場感もあり、気づけば会場中がその話芸の世界に取り込まれていた。
ライブの最後にきみまろさんが言った。
「彦根城の桜。素晴らしいです。是非、足を運んでみてください。それでは、またお会いしましょう」。
テレビの仕事が入っていたきみまろさんは、この後すぐに東京に行かなければならなかったのだが、途中、彦根城に寄って車中から桜を見て彦根を後にしたらしい。僕も、写真を撮りに彦根城を訪れてみたのだが、さすがに、一番気持ちのいい日の桜は一味違う……。きみまろさんは「また会いましょう」と言った……そんなことを思いだしていた。
読売旅行彦根営業所では、今後、春の恒例企画として継続していくことを計画しているそうだ。おそらく来年も、4月10日頃。彦根は一番気持ちよく、心から笑って、満開の桜咲き誇る彦根の一日である。
想い出が幾重にも重なる、会いに行く桜である。
【雲行】