青空の下でフレンチ

C’courage

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 長浜市 2011年12月2日更新

C’courageの店内

 長浜のとある住宅地に、創作フレンチのお店「C’courage(シークラージュ)」はある。
 今どきの新しい家々が並ぶ景色に溶け込んだお店を見つけるには少しばかり注意が必要だ。靴を脱いで上がると、リビングダイニングのような空間にテーブル席があり、「いらっしゃいませ」よりも、「お帰りなさい」という言葉がしっくりくる。
 「家のような雰囲気だからでしょう。ゆっくりしてくださる方が多いですね。リラックスして食事を召し上がっていただくのを見ているのが、私たちもうれしいんです」。
お店を営む松本滋生さん(39)と早織さん(39)夫妻が教えてくださった。厨房に立つ滋生さんの場所からは、カウンター越しにテーブル席がよく見える。

天然ガンドのポワレ 佐吾治トマトのコンフィ

 C’courageのランチは、前菜・スープ・魚料理・肉料理・パン・デザート・コーヒーのコースをメインにしている。夜は要予約のコースだ。「前菜、魚、肉、どれもおいしいなぁ、こんなの他では食べたことないなぁ、と思ってもらえるような料理をめざしています」と話す滋生さんが得意とするのは、野菜を使ったソースだ。それはまず、山口県から送られてくるダンボール箱から始まるという。
 「週に2回採れたての野菜を送ってもらっています。何が入っているかわからないので、開けてびっくりなんです。最初にメニューありきではなく、食材ありきなんですよね。そこから焼くか、蒸すか、炊くか、最も適した料理法を考えていきます。ソースもそのひとつです」。
 この日はピーマンのソースを使った「天然ガンドのポワレ 佐吾治トマトのコンフィ」という魚料理をいただいた。ガンドはブリのことだ。ダンボールの野菜に、地元産野菜を組み合わせるのが滋生さん流。佐吾治と名づけられたトマトは旧びわ町の農家さんから取り寄せている

天井には青空が

 「お皿の上の付け合せ、魚、ソースを一緒に食べてみてください。すべてを組み合わせたときに生まれる旨み、そして、新しい感覚があるんです。それがひとつの料理になります」。
 濃厚なピーマンのコクと優しい味わいはとっても新鮮だった。砂糖、塩、ビネガーで寝かせたトマトが、ピーマンの苦味を中和し、それらが、ガンド特有の魚の臭みを消す……滋生さんの思惑を発見する。

 ところで、C’courageには青空がある。天井に描かれているのだ。「青空の下で食べるご飯っておいしいですよね」とお二人は笑っている。家のようなお店の青空の下で、フレンチ。これもまた新鮮なのだ。

 

C’courage(シークラージュ)

滋賀県長浜市祇園町871-33 / TEL: 0749-64-0473
営業10:00頃〜不定 / 不定休

ランチコース1,500円(魚は日替わり、肉は鶏か豚)。【以下要予約】肉料理を牛肉に変更できる(+500円)のほか、絶品タンシチュー2,500円(スープ、メイン、パン、デザート、コーヒー)。ディナーは要予約・相談。すべてのメニューで、記念日等のお祝いの場合、デザートをデコケーキと乾杯ドリンクに変更可(+500円)
★12月23〜25日のクリスマスディナー予約受付中。5,000円のコースのみ。昼は通常営業

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

椰子

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