春はもうすぐ……、その理由!
気象予報士 石居大さん
子どもの頃から空を眺めるのが好きだったという。雲の動き、天気の移り変わりに興味をもつようになり、天気に関わる仕事がしたいと思うようになった。長浜にお住まいの石居大(まさる)さん(41)。長年の夢を、気象予報士になることで叶えた人だ。
気象予報士と聞くと、ニュースで天気予報を伝える人が思い浮かぶ。
「テレビやラジオで天気予報を伝えるだけなら資格は要りません。気象予報士というのは、気象庁が試算して出した予測資料をもとに、独自の見解を加味して予報する資格があるということです」。
天気とは関わりのない仕事に就いていた。気象予報士の国家資格制度ができたことから勉強に専念し、合格率5〜6%の狭き門を突破した。
この冬、余呉の方の雪の多さには驚いていたのだが、その理由を尋ねてみた。
「もともと余呉のあたりは 豪雪地域なのですが、今年は近年に比べて冬型の気圧配置が 長く持続したことが主な原因でしょう。ただ、そこにはさらにラニーニャ現象が関係していると考えて差し支えないと思います」。
そもそも低気圧って何なのか、気圧の谷とはどういう状態なのか……。よく耳にはするけれど解っていなかった用語や天気図の見方を教えていただいた。
「今日は、傘持って行った方がいいかなってときにちょっとした知識があるといいですよね」。
今、石居さんは、地元で気象予報士塾や気象セミナーを開こうといろいろ模索している。
「例えばあの山に雲がかかると雨が降るというように、そこに住む人にしかわからない天気予報がありますよね。そういった地元ならではの知識をもつ気象予報士が誕生すればより詳しい考察が可能だと思います。局地的な自然災害が発生した場合などの対応もスムーズになるはずです」。
冬がどうにも苦手で、と伝えると「実は私も苦手です。この間東京に雪が降ったでしょう。着実に春に向かっているということですよ。冬型がピークを過ぎると、本州の南海上を低気圧が通過するようになります。その低気圧はよく関東地方など太平洋側に雪を降らせます。しかしそれは、春の空気が南から日本にだんだん近づいてきているという証拠なんですよ。そして低気圧が日本海を通過するようになると、春一番です」。
石居さんの天気にまつわる原風景は、子どもの頃に見た台風が去った後の青空にある。「地面は木やらなんやらが散らかっているのに、空はまさに抜けるように青くて。今でもあれほどの青空に出会ったことはないですね」。
台風一過……。私は台風一家だと長く思っていたが、あの青空から気象予報士への夢が繋がっているのはとてもよく解る気がするのである。
長浜気象予報士塾 開校予定
気象予報士になるには、気象予報士試験に合格することが必要。しかし気象予報士の難易度は高く、気象予報士受験の参考書も初心者では解りにくい。長浜気象予報士塾は、知識の習得をフォローしてくれる。気象についての出前講座なども受け付けている。
店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。
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