夏のおわり、秋のはじまり

廣中桃子さん

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2014年9月17日更新

 できれば長く使うことができ、時とともにやがて古い友人になりうるようなものを生活に取り入れたい。心地よい生活を支えるよい習慣を助けてくれるような「よい品」を、と求める気持ちがある。
 器と生活道具を扱う「The Good Luck Store」は、そんな気持ちに応えてくれる店だと思っている。作り手の手間ひまが感じられる手仕事の品々が多くある。
 そのThe Good Luck Storeで、「nimai-nitai exhibition 夏のおわり、秋のはじまり」という企画が9月にある。インド東北部ビハール州スジャータ村の女性とつくった洋服や雑貨の展示販売がある。
 単身インドへ行き、半年間現地の人とデザイン、布の手配、縫製指導などをしているnimai-nitaiこと廣中桃子さんにお会いしてきた。桃子さんが初めてインドを訪れたのは、7年前、大学生のとき。もともと国際協力に興味があったが、大組織で行っている活動は、本当に貧しく困っている人を助けられるんだろうかという思いから、草の根の活動をしているビハール州ブッダガヤのNGOのボランティアで参加したという。ビハールはインドで最も貧しいといわれる。そこで出会った子どもたちが、桃子さんの「原点」になったそうだ。
 ボランティアにできることは短期間でできることに限られている。けれども子どもたちには教育を受けることができるよう、長期的な視点での行動が必要だ。寄付や一時的な援助ではなく、村人が手に職を付け、自力で生きていけるような…そのために、特に女性の職業訓練とそれに続く雇用をつくり出す必要を考えた。日本で働きながら毎年ブッダガヤへ足を運び、起業の準備をすすめた。

 一昨年に、nimai-nitai(合名会社)を立ち上げ、本格的に事業をスタート。「でも、インドに行っている間はほんとに毎日地獄(笑)」。ほめて伸ばそうと思いほめると、怠けて技術が成長しない女性たち。仕事上での信頼関係を築けず、「毎日大変で、貧しい人たちを助けたい、かわいそう、という風には思わなくなりました。逆にそれまでは、そういう『先進国の目線』で見ていたんですね」。ひとつひとつの課題に試行錯誤しながら、「フェアトレードだから買う」というのではない品質のよさ、デザインのよさ、そして村で製品づくりに携わる女性たちの得意分野を活かすことを考えながら、取り組んでいる。
 nimai-nitaiのテーマは、「ひとりの人と出会うように、ひとつのモノと出会う」。どんなモノにも物語がある。自分が安く簡単に何かを手に入れ、手放すことで、誰かが不幸になっている場合がある。本当は選ぶことができるのに、知って選ぶということを怠っている。知っていても選べないこともある。知らなくても自分は困らないけれど、いつまで「知らなかった」で済むんだろう。桃子さんの話を聞いていると、日本で安穏としている自分に気づく。なんだか恥ずかしくなってくるのだった。
 でも桃子さんもnimai-nitaiの洋服もとてもすてきだ。まず、出会うことだと思う。

minami-nitai exhibition 夏のおわり、秋のはじまり

期間 2014年9月20日〜9月30日 ※会期中無休
場所 The Good Luck Store

廣中桃子さん在廊日:9月20日、22日、25日、27日
関連イベント:9月27日(土) もぐもぐちくちく
nimai-nitaiのちくちくワークショップ
食堂ナナカマドによるもぐもぐカフェ

The Good Luck Store

滋賀県彦根市中央町2-30 / TEL.0749-20-9529
営業時間 11:00~19:00 水曜日定休

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

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