初詣・仙人を探せ!

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 2013年12月18日更新

 社寺には様々な彫刻がある。霊獣は美しく迫力があり、みとれてしまうことも多い。また植物の彫刻も巧みで、何故、その植物が存在するのか、そして仙人の名前や物語をも知りたいと思う。
 多分その彫刻が施された時代には、植物が何か、仙人の名前やどんなシーンなのかも大抵の人々が知っていたのだろう。或いは、氏神様の社のことだから、親から子へ語り継がれていたに違いない。ところが、現代はそういうことが全く途切れている。初詣に行くと気にはなるのだが、今年、近江八幡の日牟禮八幡宮の山門に仙人が何人も彫られているのを見つけたので、調べてみることにした。
 同じ仙人でも異なるシーンが描かれていたりするが、その人と判る特徴が彫り込まれているので、来年の初詣は、仙人を探してみてはどうだろう。

劉海蟾(りゅうかいせん)

 蝦蟇仙人(がませんにん)ともいう。蝦蟇(がまがえる)を使って妖術をおこなったとされる仙人である。八仙の一人である「呂洞賓(りょどうひん)」に出会い、仙術を授けられたといわれている。八仙とは、道教の仙人のなかの代表的な八人をいう。蝦蟇仙人は八仙ではないが、日本では浄瑠璃などのモチーフとなり人気の仙人である。

呂洞賓(りょどうひん)

 八仙の一人。同じく八仙である「鍾離権(しょうりけん)」の弟子で仙術を授かり道士となったとされている。幼い頃から聡明で、一日に万言を記した。呂洞賓の意匠は「剣」が出てくるので比較的判別しやすい(剣を背負っている多くの場合もある)。

張果(ちょうか)

 年寄りを敬愛し「老」つけて張果老と呼ばれる仙人。通玄(つうげん)ともいう。不老長寿の術を習得したといわれ、「瓢箪から駒」を出す仙人としても知られている。駒は馬のこと。2014年の干支なので、是非、張果老の名は覚えておきたい。
 馬に乗り、一日千里を移動したという。休む時には瓢箪の中へ馬をしまい、そして出発するときに瓢箪から馬(駒)を出す。或いは、馬を紙のように折り畳んで箱にしまい、乗る時には水を吹きかけて馬に変えたともいわれている。
 「瓢箪から駒が出る」という故事ことわざは「思いもかけないことや道理上ありえないことが起こること。冗談半分で言ったことが現実になること。幸運が舞い込むようなこと」をいうが、一説には張果老に由来するとされている。

李鉄拐(りてっかい)

 八仙の一人。鉄の杖(拐)をついて歩いたので「鉄枴」の名前が付いたといわれている。中国では医薬の神。
 ある日、魂を遊離させ、弟子に「七日経って戻ってこなければ焼いてよい」と告げ、出かけていった。六日目、弟子の母が病気になり、弟子は鉄拐の体を焼いて母の元へ行き、七日目に鉄拐の魂が帰って来たが、体が無い。仕方なく付近にあった乞食の死体に入り甦ったという逸話がのこっている。

編集部

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