博物館でアートを!

探検の殿堂の新しい試み

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 東近江市 2013年11月14日更新

 東近江市にある「西堀榮三郎記念 探検の殿堂」で美術展が開催されていると聞いて行ってきた。探検の殿堂は、マイナス25度の南極体験ゾーンでご存知の方も多いと思う。南極体験ゾーンは3年前に終了したけれど、最近では、自律型のロボット教室や理科実験・工作・自然観察といった西堀榮三郎氏の探求する精神「探求心・チャレンジ精神・創意工夫の心・新しい技術の試み」を受け継いだ事業を数多く行っている。
 今回の展示「追求の先に… 美を拓くものたち展」は、2階の「西堀榮三郎と五十人の探検家たち」展示スペースを利用して開催されている。常設展示されていた探検家の肖像画は、現在はメンテナンスが行われている。
 展示は、「美の追求」をテーマに、陶芸や切り絵、日本画、洋画、写真など、様々なジャンルの作品が並ぶ。「東近江の芸術を愛する会」の小嶋太郎さんが呼びかけ、滋賀県内を中心に活躍する28作家の作品が集まった。 小嶋さんは、布引焼の再興に取り組んでいる陶芸作家で、太陽の塔の裏側「過去の顔」を岡本太郎氏とともに信楽で制作した経験を持つ。今回の展示では、作品を出展するとともにプロデューサー的な役割も担っているそうだ。
 期間中には、プレイベントやギャラリートーク、ワークショップやツアーなど、展示のみに留まらない企画も用意されている。また団体利用時に事前に予約があれば、東近江の芸術を愛する会のメンバーによる作品解説などの対応も可能だそうだ。
 学芸員の角川咲江さんは、「西堀榮三郎さんの『まあいっぺんやってみなはれ』の精神で、この展示自体がある意味で実験といえます」と話す。今後の構想では、2階のスペースは、「探求と挑戦」「チームワーク」「後進育成」といった西堀イズムに共感し独自のテーマで展示をしたい人にレンタルできるようにしていきたいということだ。しかも、レンタルスペースのような短期間のものでなく、2〜3ヶ月単位でギャリートークやワークショップも含めた丸ごと博物館を貸し切るような「レンタルミュージアム」を想定しているのだという。
 博物館で美術展という一風変わった試みは、西堀榮三郎氏の精神に則った、新しい「探検の殿堂」となる試行の第一弾なのだ。来年、探検の殿堂は開館20周年を、そして西堀榮三郎氏の没後25年を迎える。探検の殿堂の新しい挑戦は続く。

追求の先に… 美を拓くものたち展

2013年12月25日(水)まで
入館料 大人300円、小・中学生150円

阿波連永子(洋画)・石井豊太(洋画)・大洞定治(洋画)・大町憲治(漆)・奥田誠一(洋画)・垣見敏雄(洋画)・垣見真由美(日本画)・北川邦之(書)・北川幸夫(洋画)・北川美千代(籐)・菊池睦子(ローケツ染)・黒川彰夫(洋画)・楜沢成明(建築)・小泉広明(洋画)・小嶋太郎(陶)・小嶋一浩(陶)・三波捷昭(切絵)・高橋政男(陶)・鶴房健蔵(洋画)・友政光雄(洋画)・廣田千惠(漆)・福島新一郎(写真)・藤野裕美子(日本画)・紅谷和子(水墨画)・松尾 健(写真)・宮村 長(洋画)・森 令子(洋画)・森本慶子(書)

ギャラリートーク

2013円12月6日(金)10:30〜11:30 参加費無料
お話: 垣見真由美さん 他

西堀榮三郎記念 探検の殿堂

滋賀県東近江市横溝町419
TEL: 0749-45-0011

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

編集部

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