石田三成茶の井(伝)竹藪

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2013年11月1日更新

 今年も「ひこねキャンドルナイト」が行われることになっている。夢京橋キャッスルロード界隈で約2万個のキャンドルに火が灯る。そのうちの300ほどが竹灯である。この竹、実は、「石田三成の茶の井(伝)」がある竹藪の竹を使っている。
 佐和山の麓に愛宕山仙琳寺という寺がある。彦根藩4代藩主井伊直興(1656〜1717)の庶子本空(幼名千代之介)を開基とする天台宗の古刹で、石田三成の茶の井が竹藪のなかにあるとの伝承が残っている。但し、史料には「石田三成の茶の井」との記述は見つかっていない。
 『仙琳寺由緒書』には、「愛岩(宕)山ナルハ前ハ城下ニ接シ後ヘハ佐和山ニ隣ル此ノ山ハ」とあり、「愛岩(宕)権現ノ小社アリケリ其ノ傍ラニ古キ庵リノアリケル」と記されている。三成の時代に茶室かどうかは判らないが、石田三成と島左近の屋敷の間に庵があった。江戸時代にも仙琳寺では幾度となく茶会が行われていることから、良い水があったのだろう、三成もまたこの水をお茶に使った可能性があるに違いない。
 鬱蒼とした放竹林のなかに、井戸は確かにあって、「石田三成の茶の井(伝)」を甦らせようとひこねキャンドルナイト実行委員会が「仙琳寺プロジェクト」を企画した。2010年から始まった竹藪整備は今も続いている。勿論、ボランティアである。
 プロジェクトの目的は、竹藪を整備し、新たな地域資源の一つとして活用できる状態にすること、「石田三成の茶の井(伝)」のある竹藪から切り出した竹でホルダーを作り、キャンドルナイトを行うことにある。
 11月2日のキャンドルナイトのテーマは「大一大万大吉」。石田三成ファンには見逃せないイベントである。

編集部

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