トンネルと井戸

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2013年8月23日更新

2010年(写真上)、2012年(写真下)。

 トンネルは横穴、井戸は縦穴。ここ数年、「穴」が気になっている。かつて隧道と呼ばれたトンネル。湖東湖北には明治時代の煉瓦トンネルや、大正から昭和にかけて活躍した村田鶴が設計したいくつかの隧道が今も立派に機能していたりする。山で隔てられた空間をトンネルが結んでいる。
 井戸と深く関わるようになったのは、佐和山の麓、仙琳寺の竹薮に、「伝承だが石田三成の茶の井がある」と聞いてからだった。竹薮は足を踏み入れることができないほど鬱蒼としていたが「仙琳寺プロジェクト」という竹薮整備活動が始まり、今ではスッキリとした美しい竹薮になった。
 石田三成が本当にこの井戸の水で茶を点てたかどうかは判らないが、茶の井の伝承が無ければ、竹薮の整備が行われることはなかったろうし、井戸も姿を見せることはなかったろう。石田三成の茶の井かもしれないという噂だけで、竹薮整備にエネルギーを費やすことを厭わない人たちがいることが素晴らしいと思う。
 そして昨日、新しいプロジェクトを思いついてしまった。独り悦に入っている。
 トンネルと井戸。通り抜ければ新しい景色、地層を剥がす時間旅行。まだまだ止めることができそうにない。

「仙琳寺プロジェクト」のお問い合わせは、TEL: 0749-27-5501(ひこねキャンドルナイト実行委員会事務局・夢京橋あかり館 担当: 藪田)。
http://senrinji.ii-ii.jp/

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

小太郎

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