自分たちの地域と命は自分たちで守る

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 東近江市 2013年8月16日更新

 「自主防災組織」という言葉をよく耳にするようになった。元をたどってみると阪神・淡路大震災が大きな契機となったようだ。あの時、瓦礫の下敷きになった人たちの救出は、約98%が自助や共助によるものだったといわれている。行政などによる救助隊ではなく、近所の人たちの力が多くの命を救っていたのだ。また東日本大震災の際には、災害時の迅速な避難や支援が届くまでの暮らし、そして復旧復興に向けての動きにとって、地域の団結力がどれほど重要かということが再認識されたと思う。これらの教訓を元に近年「自分たちの地域と命は自分たちで守る」ことを目指し、自治体が自主的に連帯して防災活動を行う動きが広がっている。

 東近江市でも市が災害に強い地域づくりを積極的に進めており、現在100を超える自治防災組織が立ち上げられている。今月3日には、昨年11月に発足した永源寺高野町の自主防災組織が、同町にある介護老人福祉施設「もみじ」の敷地内で初めての訓練活動が行い、子どもたちを含む住民約90名が参加した。訓練では消化器の使い方や炊き出し体験の他、地元の自警団員や消防団員による紙芝居や実際の山火事写真を用いたお話も行われた。その中で印象的だったのが「自分たちで3日間は衣食住を確保して、自分たちを守らないといけない」という話。会長の岡本弘さんも「高野には広い山林と川があり、山火事や崖崩れ、水害の危険もあります。訓練の内容はもちろんのこと、こうして地域の人が一堂に会することが万が一の時のために大切だと思います」と話してくれた。
 実は滋賀県は全国でも大きな地震が少ない県なのだそうだ。震度5弱以上が発生していない期間の長さでいうとなんと全国で3位。安心だと喜ぶのではなく、油断禁物と備える心を忘れないようにしなければと思う。

れん

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