彦根とラーメンのおいしい関係

第2回彦根ラーメングランプリ開催

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2012年5月16日更新

 おいしいラーメンとは一体何なのか。最近、ラーメンのことばかり考えている。
 僕の生まれた広島県東部では、ラーメンといえば尾道ラーメンである。鶏ガラでとった澄んだ醤油スープに豚の背脂が浮かび、麺は中細のストレートというのが基本だ。「尾道ラーメン」という呼び名は最近になって広まったもので、地元では一般的に中華そばと呼ばれていて、どこのお店に行ってもたいていこのスタイルのラーメンが提供されている。価格も安く、いわば庶民のソウルフードといったところだろうか。僕にとってのラーメンとは、まさにこのいわゆる尾道ラーメンであってそれ以上でもそれ以下でもないはずだった。
 そんな僕が15年ほど前に彦根にやって来たときに驚いたのが、ラーメン店が少ないということだった。そして、このあたりでラーメンといえば敦賀で、みんな口を揃えたように「敦賀にラーメン食べに行こう」と言った。確かに50キロ以上も離れた隣の県にわざわざラーメンを食べる目的のためだけに出かけていくというのは楽しい体験ではあったけれど、ソウルフードとしてラーメンが身近な存在だった僕にはとうてい理解できないことでもあった。
 あれから15年……。彦根のラーメン店はものすごい勢いで増えた。もともと彦根のラーメンという定義が存在しなかっただけにスタイルは様々で、京都系のこってりスープからあっさり醤油、創作系のオリジナルまで実にバラエティ豊かなラーメンが味わえる。いまや彦根はラーメンの街と言っても過言ではないのではないか。尾道ラーメン一筋だった僕も、いまではすっかり彦根のラーメンに魅了されてしまった。
 そんな彦根で、テーマを決めてラーメンの味を競う「第2回彦根ラーメングランプリ」がビバシティ彦根の駐車場で開催される。彦根市内のラーメン店有志などでつくる「彦根をラーメンの街にする会」が主催するもので、今年3月に行われた「3.11 つながろう東北へ ひこね」でのラーメングランプリをきっかけに今回が2度目の開催となる。「初夏」をテーマに12店舗がグランプリを競う。
 主催メンバーの一人、めん屋樹代表の鯰江智一さん(32)は、「3月11日のイベントに参加して、ラーメンしかつくれないラーメン屋でも震災復興に微力ながら貢献することができた。これをきっかけにラーメンを通じて地域を盛り上げていく力になれれば。回を重ねて彦根のご当地イベントとして定着させていきたい」と話す。
 グランプリが決まるのももちろん楽しみだけど、様々なラーメンに出会えるのがなにより楽しみだ。さて僕は、おいしいラーメンの答えにたどり着けるのだろうか。

第2回彦根ラーメングランプリ

日時
2012年5月19日・20日 11:30〜17:00
投票は1日目16:00・2日目15:00まで
会場
ビバシティ彦根駐車場

お問い合わせ 彦根をラーメンの街にする会
tel.090-5978-3615(井浦)

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

編集部

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