「花結び」の展示が面白い!

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 愛荘町 2021年6月11日更新

 愛荘町の歴史文化博物館の展示が面白い。6月2日からは紐を結んで花や動物など、様々な形を表現する伝統的な飾り結びの技法「花結び」の展示が行われる。
 展示資料によると、「花結び」は仏前を飾る荘厳具として発展し、平安時代には教養として学ばれていた。戦国時代には、 「一服盛る」の言葉通り、茶への毒物混入による暗殺の懸念があった。 そこで各藩に仕える茶道役は主君に出す茶を安全に管理するため、 茶壺や茶器に、封印となる特殊な結びを施した。結び方を知らなければ開封することができなかったり、一度ほどくと再現が難しい複雑な結び目など、茶壺の封印技術として花結びが発展し、秘伝の技として師匠から弟子へと伝承されていく。
 しかし、複雑な技術である花結びは時代が進むと伝承者が減少し、現代では史料でしかその姿をうかがい知ることができない結びも多く存在する。展覧会ではその幻となった花結びを、史料を元に復元し展示する。
 僕は、封印技術として発展した結びに興味津々なのである。封印を解く鍵が、記憶の伝承であるところが面白い。しかも、おそらく美を解する素養がなければ伝承者となり得ないところも気に入っている。

 

第34回企画展「幻の伝統技法 花結び」

会期 令和3年6月2日(水)~7月11日(日)

学芸員による展示解説

日時  令和3年6月20日(日)・7月4日(日)10:30~ / 13:30~
参加費 無料(要入館券)

愛荘町立歴史文化博物館
愛知郡愛荘町松尾寺878番
休館日  月・火曜日(※祝日は開館)
TEL: 0749-37-4500
https://www.town.aisho.shiga.jp/hakubutsukan/

店舗等の情報は取材時のものですので、お訪ねになる前にご確認ください。

小太郎

スポンサーリンク
関連キーワード