井伊神社の枝垂れ桜

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2021年4月2日更新

 飲食を伴う花見はほとんどしたことがないが、一度だけ、ずいぶん昔に井伊神社の枝垂れ桜の下で花見をした。満開の桜がポツンとあるようで「こんな場所があったのか」と驚きながら、立派な桜を私たちだけでだけで独り占めし、花の下でよく笑い、よく食べた。
 井伊神社は佐和山のふもと、清凉寺、龍潭寺と並んである。さらに進めば大洞弁財天だ。2年前の4月、思いついてフラッと出かけてみた。枝垂れ桜は昔見た時とは少し様子が違っていて、周囲にロープが張られているのは根を保護するためだろう。樹勢回復を行ったことを告げる標識もあった。ずいぶん昔の花見の時、旧社殿を見たのかどうか記憶はほとんどなかったのだが、覆いが被せられてそれはあった。訪れた日は、「旧井伊神社本殿・相の間及び拝殿の特別公開」が行なわれていて、社殿の内部に入ることができた。
 内部は漆塗が施され、見事な彫刻なども散見され、色鮮やかな極彩色。格天井は格間に草花が描かれている。外見からは想像もつかなかったきらびやかさにびっくりした。解説文によると、神社は天保13年(1842)、彦根藩12代藩主・井伊直亮が井伊家の始祖・共保の750回忌にあたり、遠州引佐郡の井伊谷八幡宮から井伊大明神を分霊したのが創祀で、弘化2年(1845)に現社殿が建立されたとある。社殿は入母屋造りの本殿と拝殿が相の間で結ばれる権現造りと書かれている。
 春の社殿の特別公開は、桜の季節に合わせて行われているのだと思うのだが、今春、桜の開花は早そうだ。枝垂れ桜はソメイヨシノよりも開花は若干遅いと思われるが、公開時期にさてどうなることか……。2年前、境内では枝垂れ桜、ツバキ、草花も様々に咲いていて春爛漫の思いがした。紫色の愛らしい花を「この花、ジゴクノカマノフタっていうのよ」と友人に教わり、不思議な名前なので覚えることができた。植物図鑑にはキランソウと紹介されていて、ジゴクノカマノフタは別名とある。今春は植物図鑑を持って訪ねようと考えている。帰りはいつものように弁財天にお参りもしよう。

 

蜻蛉

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