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システマチックに失われていくもの

このエントリーをはてなブックマークに追加 地域: 彦根市 2020年12月3日更新

 11月17日、新型コロナウイルス感染症の県内警戒レベルが「ステージ2(注意ステージ)」になった。緊急事態宣言以来、会議も時間から時間までインターネット経由で行われ、人との直接的な接触が制限されている。
 にもかかわらず、最近はリアルにたくさんの人とすれ違うようになった。実際、「Go To〜」で観光に関係する場所は人が増えた。彦根市内ではBIWAKOビエンナーレが11月23日まで開催されている。普段ならば絶対にすれ違うことのない雰囲気の人々が歩いている。問題はない。
 気になっているのは、思考、感情、思いや願いのすれ違いである。「あれー?」と思うことが増えた。人が思いを繋ぐための、のりしろやマージンが全くなくなったのだ。ソーシャルディスタンスは感染予防には必要不可欠。しかし、人とのすれ違いをなくす目に見えない適切な距離は必要だ。コロナ禍で、僕らが持っていた余分なものがシステマチックに失われている。待ち時間、道草、気まずい沈黙……。マスクで覆われた表情。
 「あれーっ」と、本気で焦っている。僕は余分なものでできていて、簡単に削除されてしまいそうなのだ。

小太郎

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